ルームシェアとテレビとNHK受信料 – 判決から

こんなニュースが届きました。

テレビ備え付けの賃貸物件で、NHKの放送受信料を入居者が支払うべきかどうかをめぐり、元入居者とNHKが争っていた裁判で、東京地裁(佐久間健吉裁判長)は10月27日、「物理的・客観的に放送を受信できる状態を作出した者」に支払いの義務があるとの判断を示し、元入居者の男性に受信料の返金を認める判決を下した。

テレビ備え付けの賃貸物件 入居者は「NHK受信料の支払不要」と判決 – ライブドアニュース

このニュースではレオパレスのマンスリーマンションだったようですが、「テレビ付きで貸した部屋の受信料は誰の負担か?」という点では、もしルームシェアで貸す側が部屋にテレビをつけて貸しても、同じような状況になるかと思います。

今回は地裁の判決で、これから高裁、最高裁とまだまだ裁判が続く可能性はありますが、とりあえずは、「テレビを付けて貸したんだから貸し手にNHK料金を払う責任がある」と考えておいた方が安全でしょう。

(credit: Marcus Onate)
(credit: Marcus Onate)

もし今、ルームシェアをしていて同様の問題で揉めてる人がいたら、この判決が一つの参考になるでしょう。

また、テレビを部屋に設置し、テレビがあることをウリにしているルームシェア大家は、今後はNHKの受信料を誰が払うのかについて、契約書で明記する方が安全です。何も取り決めが無ければ、貸す側の負担になってしまいます。契約前に説明し納得した上で契約すれば、借り手側のルームメイトが契約して支払うという取り決めにすることも可能かと思いますが。

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ルームシェア入門 – ルームシェアとテレビとアンテナ

米を炊かなかった、で包丁で切りかかった同居人

こんなニュースが…

食事を巡るトラブルから同居人を切りつけたなどとして、愛知県警中川署は13日、名古屋市中川区柳川町、大学生、ファン・バン・カン容疑者(20)=ベトナム国籍=を殺人未遂の疑いで逮捕した。

(中略)

同署によると、2人は一室で生活をともにしており、炊飯器内の米を最後に食べた方が、次の食事のために米を炊くというルールを取り決めていた。しかし、ファン容疑者はそれを守らなかった。このため男性がとがめたところ、トラブルになり、鍋に入った熱湯をかけるなどしたという。

毎日新聞

大学寮でのルームメイトということですが、何がもとでトラブルになるか、わかりませんね。

なんとなくではなくルールを決めていたのはむしろトラブル予防のためにいい事だったと思うのですが、ルールを決めてもルールが守られないばかりだと、かえって「ルールなのに…」と怒りが溜まってしまうこともあるかもしれません。

それにしても、ねえ…

ルームメイトとの取り決めたルールをちゃんと守っているか、相手が包丁を持ち出しそうなぐらい怒ってないか、ちょっと振り返ってみてもいいかもしれません。

ルームメイトが大家に家賃を払ってなかった!

家賃の支払いに関するルームシェアのトラブル相談事例です。

二人分の家賃をルームメイトが集めて、大家に払ってくれるというやり方でずっと過ごしていました。自分は遅れることなくルームメイトに毎月の家賃を払っていました。

しかしある時、大家さんと直接話す機会があり、そこで半年分の家賃が滞納されていることがわかりました。

ルームメイトにどういうことか問い詰めたところ、自分の遊びに遣い込んでいて、家賃を払ってなかったと言われました。大家さんからは今すぐ滞納分を払わなければ、来月で出ていくようにと言われています。

私自身に落ち度はないと思うのですが、出ていくしかないのでしょうか?

まず、大家とルームメイト、そしてあなたの3者の関係がどうなっているか、を確認しましょう。もし、

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となっていた場合、つまり、大家から借りているのはルームメイトで、あなたはルームメイトから又借りしているだけという場合。この時、ルームメイトが大家に滞納している分については、あなたは責任がありません。

「家賃についてはルームメイトに言ってください」でいいでしょう。法律的な義務はありませんが、大家と対決姿勢になるのはあなたにとっても得ではないでしょう。ルームメイトがあなたに又貸しをすることが契約で禁止されているケースもあり、そうなるとどのみち契約は解消、あなたも出ていくしかなくなります。

家賃の受け渡しがルームメイトに任されていたとしても、契約や賃貸の責任が共同であなたにもある場合は、もっと難しくなります。

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契約書の書き方によっては、ルームメイトの誰かが家賃を払わない場合は、残りのルームメイトにその分を支払う責任がある、というようなものも珍しくありません。

どうしてもその家に住み続けたいのであれば、滞納分をあなたが一人で支払い、ルームメイトに預けた分やルームメイト自身の分の家賃についてはあなた自身がルームメイトから取り立てる、どうしても支払わない場合は裁判を起こす、というのもできなくはないですが、大家に事情を話して多少待ってもらうにしても、全体の家賃を払う上にあなたの分は一時的に2回支払うことになり、出費が大きいです。また、そういうルームメイトであれば、大きな金額となった預けたお金や滞納額を返してもらうのはとても難しいでしょう。

今の家に住み続けるのは諦めて、なるべく早くそこを出るのが、全体のロスを最小限に抑える方法かと思います。これから出ていくまでの期間の家賃のうちあなたの分は、ルームメイトではなく大家に直接支払いましょう。

滞納分の家賃については、あなたの分はルームメイトに支払った、と大家に伝え、大家にはルームメイトに請求してもらうのが一番良いかと思いますが、そのためには「支払った証拠」が重要となります。ルームメイトや友達の間であっても、お金を渡したら領収書を書いてもらうとか、銀行振り込みにして通帳に証拠を残すとか、そういう証拠がなければ、大家や他の人(もし裁判になったら裁判官も)からみたら、ルームメイトが遣い込んだのか、あなたがルームメイトにそもそも払っていなかったのか、区別がつきません。

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もし何の証拠も無く、現金を毎月手渡ししていたとなると、今からでも証拠を用意できないかを考えましょう。ルームメイトがだらしなくて遣い込んだだけで、悪意が無いのであれば、今からでもルームメイトに受け取りの領収書を書いてもらうよう頼みましょう。ルームメイトが意図的にやっている場合は、書いてくれないとは思いますが。

「落ち度がない」ということですが、ルームメイトに払った証拠を残していなかったことや、ルームメイトが本当に大家に家賃を支払っていることを確認しなかったことは、落ち度と言えなくはないでしょう。勉強代は高くつきましたが、次のルームメイトや、ルームシェア以外でもお金を共同で集めて収めるような機会では、支払ったことの証拠を残す、支払われていることを確認する、のを必ずするようにしましょう。

住宅ローン35年とルームシェア

謎のイタリア人コラムニスト・パオロ・マッツァリーノさんがブログで国の持ち家政策の矛盾について書いています

今回の記事を書くために過去の資料をいろいろ調べましたけど、一般向け住宅ローンが普及しはじめた70年代前半には、住宅ローンは15~20年の返済期間が限度とされてました。40歳まで社宅暮らしをし、その間に頭金を貯めて家を買い、55歳の定年のころに返済終了、という想定だったわけです。

ところが80年代には30年、35年ローンがあたりまえになってしまいました。逆算すると、定年までに返済を終えるためには、30歳くらいで家を買う決断をしなければならないわけです。実際、新築マンションには小さい子がいる30歳くらいの夫婦が目立ちます。

でもいまどきのサラリーマンにはなんの保証もありません。35年後もいまと同じ会社にいられるのか、会社自体が存在してるのか、だれにも予想できません。

確かに、今東京圏でマンションを買おうと思うと、住宅ローンの見積もりは当然のように30年、35年という期間で出てきます。また、それぐらいの長期で計算しないと買えないぐらい、家の価格が高くなっているという状況もあります。

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昭和のような終身雇用やボーナス、退職金などが整備された時代ならともかく、先々どうなるかわからない今の日本で35年続く借金を背負ってまで家を買うことが安全なのかどうかは、怪しいところですよね。

ルームシェアの収入を見込んで家を買うことは僕も決して薦めないのですが、病気や怪我もせず、会社も倒産せず、仕事もなくならず、という前提で高額なローンを組むのであれば、ルームシェアをすることで得られる予定外の収入は、何かあった時のリスク対策として有用なものの一つになり得ると思うのです。

実際に僕の場合、ルームメイトからの賃貸収入で10年と掛からず最初の中古マンションのローンを繰り上げ返済できてしまったわけで、そこは本業の会社員でも順調だったとか節約を頑張ったとかの要因もあるのですが、35年のローンを7,8年に短縮できたことで、2軒目の購入にしても転職にしても、自分の選択肢を広げられたなあ、と思うところはあります。

また、パオロさんも書かれているとおり、

30歳そこそこで、定住を選んでしまっていいのかな。今後べつの場所でちがう仕事がやりたくなったりしませんか。そういう気持ちになったとしても、持ち家が足かせになって踏み出せないのでは。

といった側面もあるわけです。まだどこでどんな仕事をしていきたいか固まっていない若い人は、他の人がやっているルームシェアに入って住むことで、フットワークを軽くしたまま、安く便利なところに住むことができます。

必要もないものを無理な計画を組んで買わない、というのも、人生設計では大事ではないかなと改めて思いました。

家 住宅ローン 借金 電卓

データからみたアメリカのルームシェア家庭の割合

「アメリカやイギリスではルームシェアは普及していて一般的」とは、僕もたびたび言っていることですが、実際にどれぐらいの家庭がルームシェアしているのでしょうか?

アメリカの家庭調査データから、ルームシェアを含めた家族構成として典型的なパターンの上位25をまとめたページがありました。

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いろいろな暮らし方がある中で、一番多いのは27.48%の「一人暮らし」、24.71%の「夫婦子供なし」、8.67%の「夫婦子供1人」と続きます。

丸の色の灰色が家の代表者を表し、それ以外の色は、代表者との関係性を示しています。緑の丸は、代表者と結婚していたり子供だったりですね。赤は「親や兄弟姉妹」、水色は「孫」、黄緑は「そのほかの親戚」です。

ルームシェアの関係性にあたるのが、紫の「友達や(夫婦ではない)パートナー」や黄色の「親戚ではない他人」。このパターンで一番多いのは、4.10%で6位の、「友達やパートナーと二人でルームシェア」ですね。

  • 6位 4.10% 友達やパートナーと2人暮らし
  • 10位 0.89% 友達やパートナーとその子供で3人暮らし
  • 12位 0.68% 他人と2人暮らし
  • 14位 0.58% 友達やパートナーとその子供2人で4人暮らし
  • 20位 0.35% 友達やパートナー2人とで3人暮らし
  • 23位 0.25% 友達やパートナーとその子供3人で5人暮らし

と、上位25%だけでも6種類の「ルームシェア」が登場します。ここに出てこない「友達や他人との4人暮らし」とか5人以上のルームシェアは、0.19%よりも少ないのですね。

上記の6種類を全部足すだけでも、6.85%となります。100戸のアメリカ家庭があれば、そのうちの7戸ぐらいは、ルームシェアをして暮らしている、というのが、実際のデータからわかるわけですね。

記事ではさらに、2014年と1970年のデータを切り替えて表示できるようになっています。1970年のデータで同様にルームシェアと思われるパターンを足し合わせても、2%ぐらい。ルームシェアが一般的に行われているアメリカでも、50年前は2%程度がそのような家で、50年弱でルームシェアして暮らしている人の割合は3-4倍ぐらいに増えた、と言えそうです。

日本の社会はいろいろな面でアメリカのトレンドを後追いしていますから、日本でもルームシェアは長期的に増えていくでしょうね。

ルームシェアをしたくない理由1位は?

レオパレスがインターネットで行ったアンケート調査の結果によれば、「ルームシェアをしてみたいと思ったことがある」人の割合は21%だそうです。

また、そのルームシェアをしたいと思った人が実際にルームシェアしていない理由も訊かれています。

(レオパレス 調査結果)
(レオパレス 調査結果)

1位は「生活リズムを乱されたくないから」

キッチンやトイレ、シャワーなど、共用の設備がルームメイトに使われていれば、ちょっと待たないといけないこともあるでしょう。また、寝る時間の違いやテレビ・音楽などの音などで、自分の理想的な生活パターンを送れない、ということもあるかもしれませんね。

2位の「お金の分担が面倒だから」は、共同で購入する消耗品の購入・清算や光熱費の支払い・計算など、生活で掛かる費用の公平な分担をしようとすると手間が掛かるということでしょう。ルームメイトの中にこういうのが苦にならない人が居れば、なんとかなるポイントでもあるのですけど。

3位の「お風呂やトイレのシェアが嫌だから」、5位の「家具・家電や食器のシェアが嫌だから」は似ているところも多い項目だと思います。トイレのシェアが嫌な人は会社のトイレは気にならないの?と思うし、食器のシェアはレストランやカフェでも普通にあることなので、シェアすること自体が問題というよりも、それが清潔に管理・運用されないかもしれないということへの恐れがあるのかなと思います。

調査はルームシェアとシェアハウスの区別がついてないなど、ちょっと適当なところもありますが、一人暮らしでないと困る、という人がどこに困るかというのがわかる点では良い調査だと思いました。

「マイナビ賃貸」より「ルームシェアのトラブルと予防」について取材を受けました

マイナビ賃貸ニュースの記事 はじめる前に知っておきたい!ルームシェア失敗談 にて、ルームシェアで起こりがちなトラブルの代表例や、それを避けるための注意点についてお話させていただきました。

mynavi賃貸記事

ルームシェアで起こりうるトラブルはたくさんあり (→ ルームシェア入門)、全部をお話することはもちろん無理なのですが、15年以上のルームシェア経験から一番重要と考え、かつルームシェアを初めてする人にとって見落としがちな点を中心にお話しました。

これからルームシェアを始められるみなさまにとって、記事がお役に立てばいいなと思います。

貧乏人はどうしてトイレットペーパーによりお金を払ってしまうのか

という研究があることを知りました。

12個とか24個とか入った大きなパッケージを買えば、一個あたりの値段は安く手に入ります。また、セールで安く売っている時にまとめて買って家に貯めておけば、一個あたりは安く使うことができます。

しかし、この二つの行動を、貧乏な人はとりづらい、というのが、実際に払った額に差がでてきてしまう原因だそうです。

たくさん買えば割安なのはわかっているけど、そこに多く出費すると他のものが買えなくなってしまう。セールの時に買えば割安なんだけれど、給料日の後しか財布に余裕がない。結果的に、割高になるけれども小出しで2個とか、小さい個数のパッケージを買い続けてしまう、と。結果的に、お金がない人はある人と比べ、同じブランドのものであれば5.9%余分にトイレットペーパー代が掛かっているのだそうです。

お金が足りない人ほど節約をする必要があるのに、お金に余裕がある人の方が節約できてしまう、という問題ですね。トイレットペーパーに限らず、消耗品ではこういう購買行動の差があるのでしょう。

上に出た二つの相違点のうち、「大きなパッケージだと割安」という点については、ルームシェアなどの共同生活の利点が出てきそうですね。みんなで使うものを共同で買うことができれば、一回ずつは小さい差でも、長いうちには大きな節約になっていそうです。

そういう意味で言うと、ルームシェアであっても個別に消耗品を買っている場合は、一人暮らししている時と同じで、大量買いの効果は無いということになります。

また、ルームシェアによっては醤油や味噌など、調味料を共同にしているところもあるでしょうけれど、こういう場合も小さな一人用のパッケージはすごく高くつくので、大きなボトルをみんなで買うことによる節約効果はあるでしょうね。食材まで全部共同でみんなで作って食べる、みたいなのは、さらに少ないスタイルだと思いますがこれも家計にはすごく効きそうです。

トイレットペーパーや洗剤、ごみ袋などの消耗品を共同購入することは、「だれかが無駄づかいしているのでは」という疑念から別の不和を引き起こすこともありますが、共同で買うだけでみんな少しずつ特になっている、ということも考えて、小さな消費量の差に目くじらを立てない、というのもいいんじゃないかと思います。

ルームシェアには湯船はそれほど必要ではないかも

沖縄の家庭では湯船につからない入浴法が一般的だというサイトを見つけました。沖縄の賃貸アパート、特に少人数用の物件では、シャワーだけで湯船がついてないものが一般的だ、というものです。沖縄は暖かいですし、お風呂にゆっくり入って温まりたいという場合が他の地域よりも少ないのかもしれないですね。

ルームシェアで暮らす場合も、実感として、バスタブを使う人は普通よりも少ないように思います。一つしかない設備を長時間占有することになるので、長風呂する時は他の全員に前もって確認して回らないといけないですし、バスルームにトイレがくっついているようなところならもっと難しくなるでしょう。

ルームシェアに向いている間取り、について考えることも多いのですが、大きなバスタブのあるお風呂は、ルームシェアにおいてはデッドスペースとなることも多そうですね。

大きなお風呂よりも、コンパクトなシャワーブースがあって、その分の面積は他の部屋とか、リビングなどの共用スペースに回っている方が、活用されて嬉しいのかも、と思います。

今既にある家を工夫して住むのがルームシェア的ではありますが、これから新しくルームシェアしようとして場所を探すときには、シェアであまり使われない設備は小さめだったり、無かったりするものを選んだ方が、結果的に家賃を効率的に使ってることになるのではないかな、なんて思います。

トイレットペーパーを補充しないルームメイト

トイレットペーパー切れはルームメイト間の仲を確実に悪化させる問題の一つですね。

「トイレットペーパーを交換しても、脳にダメージは与えられません」

という看板を(わざわざ)作って掲示したルームメイトに対して、トイレットペーパーの切れ端(!)にペンで書いて返したのは

「(脳にダメージが与えられないかどうかを)試したくもないね」

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