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洗ってない皿はトラブルの元

食材の購入などからすべて共同の財布で行い、当番制で料理をするようなシェアの形もあります。けれど、一人一人の仕事の時間が違えば、食べる時間もまちまちですし、自由がなくなってしまうことから、実際には難しいかなと思います。

自然、自分の分だけ自分で作って食べる、という形に落ち着くことがおおいでしょう。毎日凝った料理を作るような人とシェアしない限り、2、3人で順番にキッチンを使うことは、問題ないようです。

ただし、休みの日などで余裕がある場合、フラットにいるひとに、「これからごはん作るけど一緒に食べない?」など聞くのは、当然OKです。多人数で食べたほうがおいしいし、作るのも洗うのも分担できて楽ですからね。

その場合、作ったり作られたりが頻繁にあるようなら、特に清算する必要はないですが、あまりなかったり、いつもどちらか一方が作るような場合は、毎回材料費を払うのがいいでしょうね。作ってもらったほうも、外食したり自分で一人前作ったらもっとお金かかるでしょうから、感謝の気持ちをこめて、こちらから払う意思を見せましょう。後片付けもかってでましょう。

また、食材を買ったけれど、忙しくなって自炊できず、使い切れそうにない、という場合は、積極的にシェアメイトにあげてしまいましょう。腐らせるのはもったいないです。これも、相手はその食材がほしかったわけではないでしょうから、売るんじゃなくてあげてしまいましょう。逆の場合もあるでしょうから、お互いさまです。

どこのフラットシェアでも、決まりきった規則、というか常識なんだけど、使った後の皿や鍋はすぐ洗い、シンクはきれいにしておかなければいけません。しかし、これをちゃんと守らないフラットメートというのは確実に存在します。シェアの経験者に「今まで一番嫌だったシェアメイトってどんな人?」と聞くと、たいていはこの「皿を洗わない」タイプか「シャワーをあびない」タイプです。気をつけましょうね。

貼り紙

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「この緑のモノが家じゅうに広がってほしくないなら、皿を洗ってください。ありがとう」

ルームメイトに文句をつける貼り紙、キッチンでは登場回数が多いですよね。面白い貼り紙としてはこんなのも。

「もしここに皿が24時間放置してあった場合、あなたのベッドに移します」

「もしその皿が魔法のようにシンクに戻されてた場合、こんどは枕の下に移します」

この手の貼り紙もトラブルの元ですねえ。

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「これは私のナベです。今すぐ洗いなさい」

余談: イギリスの皿洗い

イギリス人を見ていてびっくりしたのは、彼らの皿洗いの習慣です。皿を洗う様子をなにげなく見ていたら、シンクに貯めた水に洗剤を入れ、その中でじゃぶじゃぶと皿を洗った後、その皿をそのまま引き上げて、布でふいただけで食器棚に片付けようとするんです!

「ちょっとちょっと、何してんの」と言うと、「え、何が?」みたいな顔をされました。驚いたことに、これが彼らの食器洗いのやりかたなんです。

「洗剤の殺菌作用が皿に効いていいのよ」とかいう人もいますが、そんな皿に食べ物を載せて食べるなんて、信じられないですね。大昔、最初に化学洗剤が出たころの誤解が、ずっと広まってしまったそうです。

今ではイギリスで売っている洗剤の注意書きにも、「流水でよくすすいでください」という警告は書いてあります。書いてはあるんですが、何十年もやってきたことはそんな簡単には直らないというか。理詰めでわからせるしかないでしょうね。あるいは、「日本の洗剤は水ですすがないと危険なんだ」と言うか。どこの洗剤でも危険なんだけどね。

これも家庭によって違うので、イギリス人が全部こうというわけではないですし、北フランスとかオーストラリアでも、こういう習慣のある家庭はあるそうです。

イギリス人のこれは、あまりに極端な例だと思いますけど、同じ日本人だったとしても、家庭によって家事のやり方に違いがあっても不思議はありません。相手が何かおかしなことをしてる、と思ったときでも、最初から「自分のやり方が唯一絶対」という態度で相手を責めたりするのはやめて、「自分はこうしている。理由はこれこれ」、そして、「できればそのやり方は自分が気に入らないので変更できないか?」などと話してみるべきではないかなと。皿洗いに限った話ではないですが。