negotiation

さて、インタビューで知りたいことをあらかた聞き終えたなら、実際に部屋を取るか、取らないか、というところに入ってきます。

まず、Rentの交渉があります。最初からはっきりと額が提示されている場合、そこからさらに値切り交渉をするかどうかは、かなり微妙な問題です。

もともとの募集広告に「相談可」とか”negotiable”と書いてある場合で、自分の予算が本当にぎりぎりの場合は、事情を話して相談してみてもいいでしょう。あなたがインタビューでよい印象を与えていれば、多少はまけてくれる可能性もないとはいえません。

このあたりは、相手がフラットの持ち主なのか、それとも本当の大家から借りているのかによっても異なります。フラット全体の家賃が決まっていて、それを全員で分担している場合は、Rentの値下げは他の誰かの値上げになりますから、長いことその部屋が空いていて困っているとか、そういう状況でもなければ難しいかもしれません。

お金以外の労働力などで、穴埋めをすることができる可能性もあります。共同部分の掃除は全部自分がやりますから、Rentをあと5千円まけてください、とか、そういった交渉です。ペットの世話とか、庭の手入れとか、シェアメイトの仕事を手伝うとか、自分のできること、相手が必要としていること、についてすり合わせてみるのもいいかもしれません。

また、ファーニッシュトの場合、部屋についているものやリビングにあるものなどで、「あと、これがあれば入居するのになあ」という交渉をする余地もあります。部屋に机がほしいといった要望を出してみるのです。貸し手も、部屋の設備が充実するのは、あとあとも借り手がつきやすくなる利点がありますし、部屋を空けておいてもRentは入ってきませんから、一つ家具を増やすぐらいのことで入ってくれるなら、考えるでしょう。

それから、入居日の交渉というのもあります。今住んでいるところの契約が、すぐには解除できない場合、今のところの契約が終わる頃に移ってきたいでしょう。しかし、こちらがすでに空き部屋になっている場合、貸し手はなるべく早く入ってくれる人を取ろうとするでしょう。どうしてもその部屋が取りたければ、一時的に二重の家賃を払うこともしかたありませんが、事情を説明して、1週間とか2週間先の入居にしてもらうことも、他によい応募者が現れなければですが、交渉してみる余地はあります。

見学に行ったその場で決めてしまうこともありますし、他に比較する物件もあるでしょうから、いったんは帰って、あとで電話等で連絡する場合もあります。

僕としては、どんなにすばらしいと思えるところでも、一度帰って、一晩は考えることをすすめます。これも状況によりますが。他にどれぐらいの人が見学に来ているか、相手に聞いてみるのも手でしょう。

その場にしても、後で電話するにしても、こちらが部屋を取りたいと意思表示をしたら、あちら側の判断待ちになります。貸し手側にしても、一人でなく複数の場合は、全員で相談する必要があるでしょう。もしリファレンスを要求されて、伝えている場合は、そのリファレンスに指定した人に対して、電話や手紙で、あなたがどういう人か、という確認をするための時間も必要です。

また、部屋を取らないことにする場合も、その場でそれを言うというのと、後で電話で断りの連絡を入れるというのがあります。相手も、次の募集活動をしなければいけないので、あきらかに合わないと思ったら、その場で言ってあげたほうが親切でしょう。しかし、この場合も、迷うところがあれば、とりあえず持ち帰って考えてみるのがいいかと思います。他の物件も見てみたあと、やはりそこが一番よかったかも、ということだってありますから。

また、単純に礼を言って帰り、あとは何も連絡しない、というのもありますが、相手にも時間を割いてもらったのですから、部屋を取らないという意思表示も伝えるべきでしょう。電話で断るのが苦手なら、メールという手もあります。