「ルームシェアを始めたいのですが、どんな間取りにしたらいいでしょう?」とか、「どんな改造をしたらいいでしょう?」みたいな質問を見かけることがあります。

一般の不動産賃貸でも、仲介業者が「壁紙を新しくしましょう」とか「床をフローリングにしましょう」とか「洗面台をシャワー式にしましょう」など、いろんなリフォーム案を持ってきて、これだけ改造するともっと高い家賃が取れますよ、とけしかけてくることが多々あるので、それと同じようなノリで、「ルームシェアのために何か初期投資しなきゃ!」みたいな気持ちになるのでしょうね。

Ruby Moon-Houldson painting over the mural in the upstairs room that used to house the child's library

でも、考えてみてください。ルームシェアで暮らしたいという人は、同じ屋根の下に他人と住むことを厭わないぐらい、住むことに関してはおおらかなんですよね? そんな人が、「家や部屋をピカピカの新品にするために○0万円使いました。さあ素敵でしょう住んでください!」と言われてほんとうに嬉しいでしょうか?

僕だったら、何十万もかけて壁・床・設備が新品になってることよりは、今あるがままでいいから家賃を安く貸してくれ、と言いたくなりますね。

仲介料や礼金などなど、時には半年分の家賃にも届くような初期費用を払い、最低二年でもしかしたら十年でも住みつづけるかも、という普通の賃貸ならともかく、フットワークが軽いルームシェアな人たちが入れ替わる度に改造費用をかけていたら、ルームシェアの大きなメリットである「安さ」が失われてしまいます。

リフォームを勧める人たちは、リフォーム業者と懇意にしてたり、リフォーム業者から紹介料を受け取っている可能性だってあります。ルームシェアを始めようと思った未来の大家さんには、まずは、今あるがままの状態で、追加の投資をしないで「これぐらい貰えるとやっていけそう」という最低の家賃を設定して、とにかく募集してみてもらいたいですね。

世の中には、プロやセミプロとして、内装のリフォームができる借り手というのもいます。もし今空いている部屋がバタバタに壊れていたり、汚かったりしても、安ければ直して住みますよ、という借り手を見つけることだって可能です。

ルームシェアの「節約」面を活用するためにも、まずはお金を掛けずに自分の希望を書いて募集してみるのがいいのではと思います。まずは他の人の募集を見て、感じを掴んではどうでしょうか?