share-ability

ルームシェアは、いろんな住みかたの中の一つの選択肢です。日本でもシェアの経験者、ルームシェア人口が増えてきたので、以前よりも始めやすくなりましたが、それでもいろいろと難しい点はあります。

どんな人が、シェアという仕組みをうまく活用できるのか、を考えてみましょう。これまでの経験や、相談を受けた中から見えてきた、ルームシェアがうまくいく人とトラブルになる人の特徴は、以下のようなものです。

ルームシェアに向く人の特徴

  • 伝えるべきことは遠慮せずに伝えられる
  • おおらかである
  • 他人の異なる価値観を許容できる
  • 自分のことは自分でできる

ルームシェアの掲示板等でよく荒れるのが、「常識」です。「夜は静かにするのが常識です」とか「便座の蓋を下げないのは非常識です」などと簡単に書く人がいますが、こういう人はいろいろとシェアメイトとのトラブルを抱えているようです。

何が常識か、ということは、自分と良く似た人たちの間での感覚的なものでしかありません。人はそれぞれ違うバックグラウンドを持っているのですから、日常生活のこまごまとしたことに対して違う意見や習慣を持つのはあたりまえで、そこで「相手の常識が無い」ではなく、「自分と他人では常識が違うんだ」とわかっている人は、トラブルが少ないように見えます。

常識が人によって違う、と思っている人なら、常識かどうかではなくて「自分はこうしたい」と率直に相談することができますし、「相手はこうしたいんだろう」と想像する力もあるのではないでしょうか。狭い家の中で一緒に暮らすには、そういう能力が尊重されるようです。

ルームシェアに向かない人の特徴

  • 几帳面
  • 自分の価値観をおしつける
  • 片付け魔
  • 片付けられない
  • 他人に厳しい
  • 他人に依存してしまう
  • 言いたいことを言えない

「几帳面」とか「綺麗好き」というのは、一般的には良い意味の形容だと思います。しかし、これと「他者への不寛容」が結びつくと、シェア生活はとたんにギスギスしたものになります。

誰もが自分と同じレベルまで整理整頓をしなければ気がすまない、という人は、ルームシェアには向いていないでしょう。どれぐらい片付いているのが、あるいはどれぐらい散らかっているのが一番快適か、というのは、人によって異なるものです。

「気になった人が片付ける」というルールの場合は特に、シェアメイトの中で一番綺麗好きの人ばかりが片付けることになったりします。それを、「自分が特に綺麗好きだからしょうがない」と思えればいいのですが、「シェアメイトは自分と同じぐらい綺麗好きで『あるべき』」と思う人は、毎日不満を募らせることになるでしょう。

ある程度はあったほうがよくて、でも度を過ぎるとまずい特徴

  • 計算好き(細かすぎるとダメ)
  • 整頓好き(片付け魔はダメ)
  • 会話好き(お喋りが止まらないのもダメ)

まったく無くても困るし、ありすぎても困るのがこれらの特徴です。ルームシェアでは出費を計算したり分担したりということも多いので、計算が嫌でないなら素晴らしいことです。しかし、あまりに細かくなんでも計算しきろうとすると、これもまたギスギスにつながります。

普段からちょっとしたお喋りが行なわれていると、相手に対する意見や依頼をするのもやりやすくなりますし、良好な関係を維持するのにはいいのですが、相手の都合を考えずに何時間も愚痴を聞かせたりということまでいくと、これもまた問題でしょう。