ルームシェアの定義

一戸建てや2DK, 3LDKといった個室が複数あるアパートやマンションなどで、家族/親族/恋人などではないまったくの他人と一緒に住むことを「ルームシェア」といいます。

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(credit: Ambro FreeDigitalPhotos.nets

ルーム(room)は英語で「部屋」のこと、シェア(share)は、「共有する」という意味の単語です。

余談: 単に英語で”share”と言うとき、「株価」という意味になる場合もありますが、これも、会社を株式で共有=シェアすることから来ています

ルームシェアは住居のシェア全体を指す言葉でもある

シェアする対象によっていろいろな言葉があります。 シェアをする建物がハウス(家)かフラット(日本で言うマンションの中の一戸)かルーム(部屋)かによって、

  • ハウスシェア (houseshare)
  • フラットシェア (flatshare)
  • アパートメントシェア (apartment-share)
  • ルームシェア (roomshare)

などとも言いますが、これら全体を指して「ルームシェア」とも言います。

また、ルームシェアをしている家のことをシェアードハウス(Shared House)とも呼びます。これが日本語に入ったときに和製英語となり、いわゆる業者が運営する独身寮のようなゲストハウスのことを「シェアハウス」と呼ぶことも、2008年ぐらいから増えてきました。

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( credit: megan.barton)

日本では「ルームシェア」というカタカナが、シェアのすべての場合を指す言葉として定着しつつありますが、実は英語では”roomshare”という言葉はそれほどは使われていません。ルームシェアの歴史がより長い欧米でどんな呼び方をしているかにに興味のあるかたは、こちらに別途まとめましたので読んでみてください

ルームシェアでは何を「シェア」するのか?

玄関・リビング・キッチン・バス・トイレなどは共同で使い、寝室は各個人の占有スペースとなります。

炊事や洗濯などの家事については、みんなで一緒にするところも無いとはいえませんが、一般的には、各人が自分の分を、共用のキッチンや洗濯機を使って行うのが普通です。

一緒に「借りる」のがルームシェアなの?

ルームシェア・フラットシェアサイトの中には、「他人と一緒に部屋を借りて住むのがルームシェア」と書いているところもありますが、これは間違いです。その家やマンションを借りているか、持っているかに関わらず、ルームシェアと言います。

一緒に「借りる」ことではなく一緒に「住む」ことがルームシェア

日本にない新しいライフスタイル?

日本では、戦後何十年もの間、家族でもない赤の他人と一緒に住むという習慣がありませんでした。

ですので、なかなか想像しづらいかもしれませんが、欧米、特に個人主義の強い、アメリカやイギリス、オーストラリアなどの英語圏(アングロ=サクソン文化)、合理的で倹約を尊ぶプロテスタント文化の北欧やドイツでも、ごく一般的に普及しています。

それらよりは家族主義が強いラテン系(フランスやスペイン、南米)やスラブ系(ロシア・東欧)でも、大都市圏ではごく普通に、若者の住まいの選択肢として存在しています。

また、東京や大阪と同様、人口過密で住宅事情の悪いことで知られる香港、台北、シンガポールなどアジアの大都市でも行われています。

それに、第二次大戦よりも古い時代、東京に「ワンルームマンション」などが存在しなかった明治・大正、あるいはそれより前の江戸時代には、長屋、下宿、など、都会で他人と共同生活する「シェアな暮らし」が日本でもごく普通に見られました。

他人と一緒に暮らす「ルームシェア」は、高度成長期に日本が一旦失ってしまったライフスタイルだ、と言うこともできるかもしれませんね。