ワンルームマンションで一人暮らしは、世界標準ではない!

日本で一人暮らしというと、ワンルームマンションに住んでいる人は多いと思います。しかし、このワンルームマンション、こんなにたくさんあるのは日本だけなのです。

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家族用のマンション/戸建てに、他人と住む

欧米では、一人で住むための小さなフラット(ステュディオ=studio などと言います)は、大都会以外はほとんど存在しません。都会でも、一人用の物件がそれほど多いわけでもありません。一番多いのは、家族が住むような部屋がいくつもある戸建てやフラット(=日本でいうアパート/マンション)になります。

では、家族が住むような部屋が複数ある物件ばかりで、独身者や若者・学生はどうやって一人暮らしをするのでしょう? それがルームシェア(フラットシェア)です。

お金持ちだったら、部屋が3つも4つもある家を一人で借りたりできますが、特に若くて独身の若者は、ルームシェアで他の人と一緒に住むことによって、家賃を安く上げるのが一般的です。

アメリカやイギリスなどのアングロサクソン系のヨーロッパ文化にといては、高校を卒業するぐらいの歳で親元を離れるのが普通です。たとえ実家から通えるような地元で進学や就職をしても、実家で親と住むことは恥ずかしい、独立心がない、とみなされるようです。ですから、それほど収入がないうちでも、なんとか自分の住むところを確保しなければいけません。そういうときの最初の選択肢が、シェアということになります。

ちなみに、スペインやイタリアなど、ラテン系の文化では、結婚するまでは親と同居が普通なので、一口に欧米といってもいろいろありますね。(もちろん、ローマやマドリッドといった大都会に出てくる若者は、これらの文化圏でも多くがルームシェアをします)

若者や学生じゃなくても、他人と住む

また、独身の若者でなくても、大借金をして家を買ったばかりの若夫婦(家には子供部屋がありますが、まだ子供がいないわけです)や、子供が巣立ってしまった老夫婦などが、使われていない余った部屋を、独身の若者などに貸すということもよく見られます。

それに、工場跡を改造して住んだり、事務所と兼用にした上で起業仲間とシェアしてみたり、いろんなシェアの形態がありうるでしょうね。

家族だったら同居で、家族じゃなければ絶対同居しない、という、過去4,50年ほどの日本のスタイルは、世界から見ても、また歴史的にみても、特に普通というわけではなかったのです。