意外とあなどれない!ルームメイトのいびき問題

「この人となら性格も合うし、ルームシェアもうまくいきそう!」そう思っても、意外な盲点というのはあるものです。

そのお相手の睡眠中に遭遇したことはありますか?

どんなにいい人でも、悪気がなくても、睡眠時は無意識にいびきをかいてしまったり歯ぎしりをするクセがある方もいますよね。

私はこのいびき問題、ルームシェアにおいてかなり重要視するべき要素だと思っています。相手だけでなく、もしかしたら自分が迷惑をかける側になるおそれも。

すでにこの問題に直面している方もいらっしゃると思いますので、解決策も含めて考えてみましょう!

お酒を飲むといびきはひどくなる

(credit:Pexels)

普段はいびきをかかなくても、お酒を飲んだ日はかいてしまう、という方もいます。そういう場合はお酒を控えればいいのですが、仕事の付き合い上そうも言っていられなかったり、事情はありますよね。

アルコールには筋肉を弛緩させる作用があるため、顔の表情筋が緩んで、鼻からのどにかけての気道を圧迫して狭くさせます。すると、吸い込んだ空気が気道にぶつかりやすくなり、粘膜が振動を起こすという原理。

普段からいびきをかいてしまう方は、シェアメイトが明日早起きで大切な用事がある、などという場合はお酒を控えるなど、未然に防げることはあります。少なくとも、努力している姿を見るだけでも、イライラする気持ちが収まることも大いにあるでしょう。

個室にすればだいたいは解決する

いびきが心配であれば、ドミトリーは避けて個室で別々に寝ることは何よりの解決策になります。しかし、予算上それが難しい場合や、いびきの音が大きい人は壁を伝って聞こえてくるケースもあるのです。

現に私は、それを経験しました。以前シェアしていた家で、隣の部屋で寝ているシェアメイトのいびきが、地響きのように聞こえてきて眠れなかったことが。そこまでのパターンはまれですが、無きにしもあらず、ということは頭に入れておきましょう。

個室でもベッド同士が壁ごしに隣合わない配置にするなど、工夫をすればたいていは問題ないと思います。

横向きで寝る

(credit:Unsplash)

いびきは仰向けで寝ている時に発生することがほとんど。いびき対策として、リュックを背負ったまま寝るという治し方も実際にあるそうです。

そこまではできなくても、気づいたら横を向くように心がけるだけでも、少しは変わるかもしれません。

鼻腔を広げるテープを貼る

鼻づまりもいびきの原因になります。ブリーズライトなどの、鼻づまりを解消するテープを貼ってみる。これで、30%程度鼻づまりが緩和されるそうです。

また、鼻がつまるとどうしても口呼吸になるので、のどが乾燥したりウイルスが体内に入って風邪を引きやすくなるなど、体にもよくありません。

鼻の通りを良くするスプレーや、メントール配合の塗り薬などもありますので、利用してみると良いかもしれません。

いびき外来に通う

自分で対策しても良くならなければ、病院で相談してみるのも一つの手段です。いびき外来、もしくは睡眠時無呼吸症候群外来とも言われているそうです。耳鼻咽喉科が専門のようですね。

先ほど前述した、いびきが壁を伝ってくる私の以前のシェアメイトも通院していました。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質も下がりますし、命の危険もあります。たかがいびきと軽視せずに、対策を考えましょう。

また、この症状は自覚がない場合が多いそうなので、もしシェアメイトがいれば、自分が寝ている時に無呼吸の状態になっていないか、見てもらうのもいいですね。

いびきや歯ぎしりなどのクセに加えて、眠りの深い方はアラームが鳴り続けても起きないなど、睡眠時のトラブルは意外と根深いもの。ルームシェアを考える時には、事前に相手の特徴を知っておき、トラブルを回避することも有効です。

米を炊かなかった、で包丁で切りかかった同居人

こんなニュースが…

食事を巡るトラブルから同居人を切りつけたなどとして、愛知県警中川署は13日、名古屋市中川区柳川町、大学生、ファン・バン・カン容疑者(20)=ベトナム国籍=を殺人未遂の疑いで逮捕した。

(中略)

同署によると、2人は一室で生活をともにしており、炊飯器内の米を最後に食べた方が、次の食事のために米を炊くというルールを取り決めていた。しかし、ファン容疑者はそれを守らなかった。このため男性がとがめたところ、トラブルになり、鍋に入った熱湯をかけるなどしたという。

毎日新聞

大学寮でのルームメイトということですが、何がもとでトラブルになるか、わかりませんね。

なんとなくではなくルールを決めていたのはむしろトラブル予防のためにいい事だったと思うのですが、ルールを決めてもルールが守られないばかりだと、かえって「ルールなのに…」と怒りが溜まってしまうこともあるかもしれません。

それにしても、ねえ…

ルームメイトとの取り決めたルールをちゃんと守っているか、相手が包丁を持ち出しそうなぐらい怒ってないか、ちょっと振り返ってみてもいいかもしれません。

ルームメイトが大家に家賃を払ってなかった!

家賃の支払いに関するルームシェアのトラブル相談事例です。

二人分の家賃をルームメイトが集めて、大家に払ってくれるというやり方でずっと過ごしていました。自分は遅れることなくルームメイトに毎月の家賃を払っていました。

しかしある時、大家さんと直接話す機会があり、そこで半年分の家賃が滞納されていることがわかりました。

ルームメイトにどういうことか問い詰めたところ、自分の遊びに遣い込んでいて、家賃を払ってなかったと言われました。大家さんからは今すぐ滞納分を払わなければ、来月で出ていくようにと言われています。

私自身に落ち度はないと思うのですが、出ていくしかないのでしょうか?

まず、大家とルームメイト、そしてあなたの3者の関係がどうなっているか、を確認しましょう。もし、

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となっていた場合、つまり、大家から借りているのはルームメイトで、あなたはルームメイトから又借りしているだけという場合。この時、ルームメイトが大家に滞納している分については、あなたは責任がありません。

「家賃についてはルームメイトに言ってください」でいいでしょう。法律的な義務はありませんが、大家と対決姿勢になるのはあなたにとっても得ではないでしょう。ルームメイトがあなたに又貸しをすることが契約で禁止されているケースもあり、そうなるとどのみち契約は解消、あなたも出ていくしかなくなります。

家賃の受け渡しがルームメイトに任されていたとしても、契約や賃貸の責任が共同であなたにもある場合は、もっと難しくなります。

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契約書の書き方によっては、ルームメイトの誰かが家賃を払わない場合は、残りのルームメイトにその分を支払う責任がある、というようなものも珍しくありません。

どうしてもその家に住み続けたいのであれば、滞納分をあなたが一人で支払い、ルームメイトに預けた分やルームメイト自身の分の家賃についてはあなた自身がルームメイトから取り立てる、どうしても支払わない場合は裁判を起こす、というのもできなくはないですが、大家に事情を話して多少待ってもらうにしても、全体の家賃を払う上にあなたの分は一時的に2回支払うことになり、出費が大きいです。また、そういうルームメイトであれば、大きな金額となった預けたお金や滞納額を返してもらうのはとても難しいでしょう。

今の家に住み続けるのは諦めて、なるべく早くそこを出るのが、全体のロスを最小限に抑える方法かと思います。これから出ていくまでの期間の家賃のうちあなたの分は、ルームメイトではなく大家に直接支払いましょう。

滞納分の家賃については、あなたの分はルームメイトに支払った、と大家に伝え、大家にはルームメイトに請求してもらうのが一番良いかと思いますが、そのためには「支払った証拠」が重要となります。ルームメイトや友達の間であっても、お金を渡したら領収書を書いてもらうとか、銀行振り込みにして通帳に証拠を残すとか、そういう証拠がなければ、大家や他の人(もし裁判になったら裁判官も)からみたら、ルームメイトが遣い込んだのか、あなたがルームメイトにそもそも払っていなかったのか、区別がつきません。

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もし何の証拠も無く、現金を毎月手渡ししていたとなると、今からでも証拠を用意できないかを考えましょう。ルームメイトがだらしなくて遣い込んだだけで、悪意が無いのであれば、今からでもルームメイトに受け取りの領収書を書いてもらうよう頼みましょう。ルームメイトが意図的にやっている場合は、書いてくれないとは思いますが。

「落ち度がない」ということですが、ルームメイトに払った証拠を残していなかったことや、ルームメイトが本当に大家に家賃を支払っていることを確認しなかったことは、落ち度と言えなくはないでしょう。勉強代は高くつきましたが、次のルームメイトや、ルームシェア以外でもお金を共同で集めて収めるような機会では、支払ったことの証拠を残す、支払われていることを確認する、のを必ずするようにしましょう。

「マイナビ賃貸」より「ルームシェアのトラブルと予防」について取材を受けました

マイナビ賃貸ニュースの記事 はじめる前に知っておきたい!ルームシェア失敗談 にて、ルームシェアで起こりがちなトラブルの代表例や、それを避けるための注意点についてお話させていただきました。

mynavi賃貸記事

ルームシェアで起こりうるトラブルはたくさんあり (→ ルームシェア入門)、全部をお話することはもちろん無理なのですが、15年以上のルームシェア経験から一番重要と考え、かつルームシェアを初めてする人にとって見落としがちな点を中心にお話しました。

これからルームシェアを始められるみなさまにとって、記事がお役に立てばいいなと思います。