独身がファミリーマンションを購入するメリット? ルームシェアでしょう!

のらえもんという方がマンション購入についての次のようなブログ記事を書かれています。

ケーススタディ集「シングルがファミリーマンションを購入するメリット/デメリット」

「シングルがファミリーマンションを購入して住む場合に考えられるデメリットを教えて下さい。」という読者からの質問に対して、メリットはいくつもあると回答されています。デメリットは特にない、というのがマンションを買うことを薦めるブログらしいところですが。

大きなメリットは税制面での優遇。50平米以上(壁の内側の面積です。50前後の場合は必ず不動産屋に確認しましょう)のマンションだと、住宅ローン控除で税金が返って来たり、様々な税金の軽減が得られたりします。

また、その結果として、マンションを売らなければいけなくなったときにも、有利な値段で売れるというのがあります。そのマンションを買う人も、上記のようなメリットを得られますから、その分割高でも欲しくなる、ということですね。具体的な相場データを出しての解説がリンク先のブログにあります。

こののらえもんさんの頭にはルームシェアという考え方は無さそうで、一人で面積が要らないなら賃貸の方がいいのでは、という結論になっていますが、ファミリーマンションを購入してルームシェアすることにより、家族がいない独身者でも、大きなマンションを購入するメリットを受けたまま、自分の自宅(の一部)で不動産投資ができる、という手段が取れますね。

さまざまなルームシェアのメリットについては「ルームシェア入門」のこちらから。これらのメリットの中に、より割安で資産価値も高いファミリーマンションを持てる、というのも入りますね。もしワンルームマンション購入を検討してる独身の方がいらしたら、ルームシェアによるこんな選択肢もあるというのを検討されてみてはどうでしょうか?

若者と老人とのルームシェア

世田谷区長の保坂展人さんが書かれた記事 「高齢者の孤独」を癒す「学生・若者とのホームシェア」の可能性は を読みました。

世代交代に伴う空き家の増加や、その活用がされずに廃屋が増えていることが社会問題となりつつありますが、世田谷区でも空き家をどのように活用するかという研究がなされているようです。また、同じ文脈の中で、フランスのNPOによる高齢者と若者のルームシェアマッチングの話や、オランダでの老人ホームに若者を住まわせる話なども紹介されています。

Black and White
photo credit: Brian Auer

いざという時のトラブル解消のバックアップ等の仕組みを整えて、高齢者の孤独を癒し、そのことと若者・学生への住宅支援が両立する仕組みに取り組んでいきたいと考えています。

日本の場合、投票などの政治行動に置いて高齢者の人数も参加率も高いため、行政としてはどうしても高齢者に訴求する箇所がより多く取り上げられることが多い気がしますが、単に若者を労働力やヘルパーとして使うということではなく、高齢者とルームシェアする若者にも十分なメリットがなければならないでしょう。

若者の敬老精神やボランティア意識につけこんで依存するような形ではなく、そのルームシェアをする若者にとっても得があるようにとなると、やはり一番は家賃などの対価が市場に比べて割安であること、など思います。

不動産を所持して使わない個室やスペースを持て余している人が、ルームシェアジャパンのような掲示板を使って住処を必要としている若者にそれを安価に提供してくれれば、東京のような大都会の住みづらさも少しは解消されるのではと期待しています。

一生涯を通して(部屋が空いている時に)ルームシェアをするということについては、「ルームシェア入門」でも書いたことがあります。

生涯ルームシェア、という考え方

ワンルームマンション規制は将来のルームシェアを増加させるかも

東京都心の多くの区で、若者向けのワンルームマンションが建てにくくなる、いわゆる「ワンルームマンション規制」の条例が制定されている、というニュースがありました。

ワンルームマンションの建築を規制する区の条例が、都内で相次いで施行されるなど規制が広がっている。面積が25平方メートル未満の部屋を持つマンションが建てにくくなるというものだ。面積を増やせば家賃が高くなることも予想され、学生や高齢者が住みにくくなるという批判もある。しかし、こうした条例が制定される背景には、単身者のゴミ出しのマナーの悪さや自転車の路上駐輪が問題化していることがある。

25平方メートル未満「ノー」 都内で広がる「ワンルームマンション規制」 : J-CASTニュース

条例の内容は区によって違いますが、20平米、25平米以下といったサイズが小さなマンションをたくさん作れないようにするというものです。既にその地域に住んでいる人たちの希望によって、単身者が借りられる(狭いけど)安い賃貸を減らす目的で制定されているようです。

記事では、ワンルームマンションに住む人に対する苦情(ゴミ出しのルールを守らなかったり、自転車の停め方が悪かったり、騒音がひどかったり)がある、と文京区の担当者に語らせていますが、ファミリーであれば必ずマナーが良いわけでもないでしょうし、区や政治に働きかける時間や能力のあるファミリー世代が、ばらばらで投票率も少ないであろう若者世代を遠ざけようとしているようにも見えますね。

ワンルームマンションを作りにくくしたからといって、都心の一人暮らしの独身者や若者が増えなくなるわけではないでしょう(日本全体では人口減少でも東京は増加)。このような規制が続くと、既存住民が望むファミリー向けのマンションは「作れるけど借り手不足」、ワンルームマンションなどが対象にしていた独身の若者は「ワンルーム不足で規制の緩い郊外暮らしを余儀なくされる」ということも起こるかもしれません。

そうなると、ファミリーマンションを活用して安く住める「ルームシェア」は、都心部でますます希少で価値のある選択肢となるかもしれませんね。そもそもワンルームマンションは使用時間の短いキッチン・バス・トイレなどを一人一人が持たなければいけない非効率な暮らし方で、海外ではファミリー向けでルームシェアすることで若者や独身者もファミリーと同じように過ごせていたわけですから。