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家やマンションの一戸に対して請求されてくるお金については、シェアメイト全員で負担する必要があります。

基本的なところでは電気、ガス、水道などが挙げられます。賃貸物件の場合は、家賃、共益費などもそうですし、持ち家で家賃の計算に含まれていなければ、マンションの管理費、庭やベランダの使用料、固定資産税、共用電話の基本料金、町内会の会費などもあります。

もっとも、後の方の出費については、賃貸であれば大家が払うのが普通のものもあります。大家が払っている場合は、実際には家賃の中に含まれていることになります。

大家が一緒に住んでシェア貸ししている場合は、大家が光熱費を立替払いする例が多いと思います。その場合に、大家は他のシェアメイトに光熱費を請求したり、あるいは光熱費を含んだ家賃を提示しているかもしれません。

賃貸でルームシェアしている場合でも、誰か一人が代表となって、光熱費を支払う場合もあるでしょう。この時は、他のシェアメイトから光熱費を徴収することになります。

どの場合でも、光熱費をどうやって負担するか、というのは取り決めが必要で、ここを曖昧にすると、これもトラブルの元となります。

一つは、立て替えた人が毎月定額で集めるというもの。これは、払うほうも集める方も金額が毎月変わらないので楽だという利点があります。

定額方式のデメリットは、他のシェアメイト達からみると、電気や水道、ガスを「いくら使っても」払うお金が変わらないところにあります。つまり、誰もいない部屋の電気をつけっぱなしにしたり、冷暖房を必要以上に使ったりと、節約がされなくなる傾向がでます。使っても使わなくても自分の支払いは変わりませんからね。

これに対し、毎月、請求額を人数で割って、立て替えた人が全員から徴収するという方法もあります。全体の使用量が増えれば、一人一人の払う額も増えるので、無駄遣いは減ります。しかし、毎月計算をして、結果の金額をみんなに通知し、端数のあるお金を集める必要がでるので、面倒さは増します。

全員が1日から月末までいる時はいいですが、途中入居や退去も含めると、計算をする人の負担はそれなりになります。誰かが2週間旅行で家を空けたら、その人は水やガスは使ってないことになるでしょうけど、その分は抜いて計算すべきでしょうか? それとも、水道代やガス代には使わなくてもかかる基本料金がありますから、一ヶ月まるまる不在でも光熱費は負担するべきでしょうか?

それに、もし誰も旅行に行ってなくても、、この場合も、「一人だけずっと家にいて、テレビやパソコンを一日中使っている人」とか、ずっと家で仕事している人、「みんなはシャワーなのに、一人だけ毎日風呂を沸かす人」といった場合の不公平には対処できません。あきらかに不公平な状況というのがあれば、相談して額や比率を調整する、ということもできるでしょう。

複雑な細かい計算をすれば、多少は真の使用量に近づけるかもしれませんけど、その計算をしたり、お金を集めたりすることだって時間と手間が掛かっています。その手間に対しても「自分ばかり不公平だ」と言う人も出るでしょう。

例えば、計算をして徴収する係りを、毎月交代の順番制にするとか、計算をしてくれる人に多少の報酬を乗せて計算する、といった方法もあるかもしれません。

固定式と計算式を組み合わせて、「光熱費の合計が○○円に収まってれば定額だけど、○○円を越えるほどみんなが使ったら、追加で取るよ」というのも考えられます。これで、普段は定額で楽だけど、万一光熱費が異常にあがっても一人ですべてを被らなくてよくなります。

使った人が払う、という、いわゆる利用者負担の原則、というのを徹底すると、ゲストハウス(シェアハウス)に見られるような大家(業者)が設置したコインシャワー等が最も公平になるでしょうけど、そこまでやらなくても、みんなが不満なくやっていけるポイントを探して、ある程度の手間で済むように妥協することが、重要だと思います。

ルームシェアのような暮らし方で、光熱費を完全に正確に按分する、というのは実際には不可能です。ここで自分の「常識」を出して計算方法を押し付けようとすると、簡単にシェアメイトの仲は悪くなることでしょう。ここでも、重要なのは話し合うことで、不公平だと思うことについては何が不公平で、どうすれば公平だと自分は思えるのか、また相手の考える公平さについても聞いて、全員が合意できるポイントを探すようにしなければいけません。