空いている部屋があるよ、貸せるよ、というルームシェアを見つけ、連絡したら、次の段階は実際にそのお宅にお邪魔して部屋を見ることです。

見学では、あら捜しをするような態度は嫌われるでしょうが、入居してから「こんなの思ってたのと違った!」などと不満を感じないためにも、ポイントを押さえてチェックをしましょう。

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根掘り葉掘りの質問は良くない

できれば、いちいち細かく質問するのではなく、ぱっと眺めることで自分で把握するのが一番の方法です。見てわかるようなことや、あまりにも当たり前なことについて質問ばかりすると、「神経質な人だな」と思われてしまう危険性があります。最悪、「バカなのかな」と思われてしまうかも。

しかし、聞くべきことをうまく考えてピンポイントで質問できる人は、話が通じる人として好感を持ってもらえることと思います。

玄関から入るまで

まず玄関から。鍵はどんな形式でしょうか。二重ロックでしょうか。ロックが二つついていても、一つしか使ってないということもあるかもしれません。

靴はどうなってるでしょう。住人の数以上の靴が散らかっていたら、整頓ができてないか下駄箱が小さいかのどちらかでしょう。下駄箱も見せてもらいましょう。下駄箱のサイズは人数に対して十分ですか? 下駄箱のうちどの部分が自分のスペースになるのかも確認しましょう。自分の持ってくる靴の量と比べて十分ですか? ブーツなど背の高い靴を持ってくるなら、それがそのスペースに入りきるかも考えて、割り当てスペースの交換が必要そうならそれが可能かも聞いてみましょう。

台所

キッチン。見学者が来るときにシンクに洗ってない皿や鍋が山積み、なんてフラットはあまりないでしょうが、もしそうなっていたら考えたほうがいいでしょう。あなたが料理好きなら、コンロがガスコンロであることや、コンロが二つ以上あることは重要でしょうし、作業のためのスペースが十分かどうかもチェックするところでしょう。タオルはきれいですか? 炊飯器等は個人のものでしょうか? ご飯も共同で炊くのでしょうか? 食材を入れるスペースはもらえますか? 冷蔵庫の中はきれいですか? 変な臭いはしませんか? 冷蔵庫のどの部分を使えますか? 食器類は十分ですか? 自分の食器を持ってくる人は、それを置いてもいいかも聞きましょう。キッチンに自分の食器を置いた場合は、それはみんなに使ってもらって構わない、というのが普通です。それは誰かが間違って割っても大丈夫な食器ですか?

リビングなどの共用部

共用スペース。リビングはありますか? 床に座るのか、ソファか、テーブルに椅子か。テレビやビデオはありますか? リビングを使うときのルールはありますか?

ゴミ箱。共用のゴミ箱はありますか? 燃える、燃えない、ビン、缶、雑誌など、分別されてますか? ゴミ捨て場はどこで、誰がゴミを持って行くのでしょうか?

電話が共用の場合、電話機はどこでしょう? ファックスはついてますか? 利用料金はどうやって払うのでしょう? 自分のお気に入りの長距離電話会社を使ってもいいですか? コードレス子機はついてますか? 子機を自分の部屋に持っていって使っても構いませんか? 何時まで共用の電話に掛けてもらっても迷惑じゃないですか?

洗濯機。二層式ですか全自動ですか? 乾燥機はありますか? 物干しはどこでしょう? 干し場はきれいですか? 道路に面していて排ガスがすごかったりしませんか?

風呂やシャワー、トイレ

風呂。カビは生えてませんか? 各自のせっけんやシャンプーはどうなってますか? シャワーはついてますか? シャワーは、実際にお湯を出させてもらいましょう。水の勢いや、お湯の温度をチェックしましょう。夏場は威勢良くお湯が出ても、冬場は十分な温度にならないこともあるかもしれません。これは冬以外は判断が難しいのですが、給湯器のサイズや、給湯器の設定温度が上げられるかを見せてもらいましょう。また、排水溝を見てください。髪の毛がたまってたりしませんか? 使ったらすぐに掃除するような習慣が、そのシェアにあるのかないのかがわかります。

トイレ。ペーパーの予備は十分ですか? 掃除道具や洗剤はありますか? ペーパーの補充や掃除は当番制ですか? ボランティアベースですか? トイレと風呂、洗濯機などが一緒か別々かも気をつけてください。誰かが風呂に入っていると、トイレに入れなかったり、洗濯できなかったりする場合は、そうでない場合よりも衝突が多くなります。人数との兼ね合いを考えて、やっていけるかどうか判断しましょう。

自分が入る(かもしれない)居室

そして、あなたが住むことになる部屋を見せてもらいます。シェアの場合、部屋を見せてもらうときには、まだ前の住人が住んでいることが多いです。

まだ前のシェアメイトが住んでいる場合、その人の家具や持ち物があることから、狭く見えたり、散らかって見えたりするかもしれません。しかし、逆に言えば、自分が荷物を入れたときにどれぐらいになるのかを知ることができますから、まったくの空の部屋を見る場合よりもよいかもしれません。

部屋を見せてくれる人が、その部屋の今の住人とは違う場合、部屋にあるものを勝手に触ったり開けたりしないかも見ましょう。募集のために「仮に入らせてもらってる」部屋で勝手な振る舞いをするシェアメイトは、次にあなたが入ったときにも、あなたの部屋で同じようなことをするかもしれませんよ。

人が住んでいない部屋の場合、自分の持っている家具その他を置いた後でも、余裕を持って暮らせるかどうか、想像するようにしてください。ただし、一人暮らしからシェアに移ってくる人は、今まで全部自分で維持してきた家具や家電のいくつかは、自分の部屋でなく共用スペースに置けるかもしれないこと、いざというときには共用スペースを使うこともできること、も考えてください。

あとは一般的な賃貸と同じです。窓はどちら向きか、壁やじゅうたん/たたみはどれぐらい汚れているか、壁に画鋲を刺したりしてもよいか。場所によっては、壁を塗り替えたり、棚を作ったりできるところもありますので、希望があれば聞いてみましょう。冷暖房はどうなっているか。コンセントの数は十分か。テレビのアンテナソケットや、インターネットの口はありますか? 窓は開けられますか? 窓の外はどうなっていますか? 窓に網戸はついてますか?

音や周辺環境

音についても考えましょう。他のシェアメイトの部屋と隣り合っていますか? もし壁の向こうにもシェアメイトが住んでいる場合、壁の厚さを気にしましょう。可能であれば、壁の反対側の部屋で話をしてもらったり、壁を叩いたりしてもらいましょう。同じ家の中ですから、まったく音が聞こえないというのは無理だと思いますが、薄すぎるといろいろと気をつかうことになるでしょう。

また、外部の音も重要です。大きな道路や線路はないですか? 幼稚園や小学校、工場はどうです? ちょっと静かにしてもらって、外からの音がどれぐらい聞こえるか、聞いてみましょう。時間帯による騒音もあるので、むずかしいところですが、一番大事なのは自分が就寝する時間帯にどうか、でしょう。

家具などの引継ぎ

シェアの場合、カラーBOXや鏡、机や椅子等のちょっとした家具は、シェアメイトの都合であまったりしてることもよくあります。今見せてもらった部屋になにか足りないものがあれば、聞いてみましょう。あまったものを貸してくれるかもしれません。

家賃などの交渉

また、大家やマネージャーが居るタイプのシェアの場合、「あと○○があればここに決めたいんですが」と交渉することは、決して悪いことではありません。数千円や数万円の出費で部屋が埋まるなら、空き部屋にしておくよりはずっとましですし、その部屋の設備が充実すれば、また次の人を入れることになった場合にも、応募が気やすくなります。ただし、人気のありそうな、応募がたくさん来ている部屋だと、受け流されて他の人に決められてしまうだけなので、自分がほんとうにその部屋を気に入った場合は、その○○は後で自腹で買うほうが無難でしょう。

持参する「イイ道具」

キッチンに置くような家電等で、他の人にも使わせて問題ないものを持っている場合は、それを共用のキッチンに置いてもよいか、聞いてみましょう。オーブントースター、ミキサー、ケーキの型など、今そのシェアが持っていないものであれば、歓迎されることもあります。

実際に見学の時に持って行って確認漏れがないよう使えるチェックリストも用意しましたので、良ければ使ってみてください