ルームシェアの初期費用
ルームシェアを始めるときに、どれぐらいお金が掛かるのでしょうか?
新規に共同で家やマンションを探し、そこを借りてルームシェアを始める場合
ルームシェアといってもいろいろな形態や始めかたがありますが、未経験者がよく思い浮かべるのは、この「みんなで借りる」パターンでしょうか。
ネットでも良く質問を見かけます。経験者がいても難しい点もあるので、人生で初めてルームシェアをするということであれば、後述の「すでにルームシェアしているところへ入る」を試してみるのが一番リスクが少ないとは思います。
トータルの初期費用は、以下を合計したものになります。
- 物件を借りるための費用
- 新たに家具や家電を揃えるための費用
- 引越しするための費用
- 電気ガス水道など、ライフラインを開通させるための費用
- その他、個人の費用
一つ一つを細かく見ていきましょう。
物件を借りるための費用
一戸建てやマンションをを借りる際に掛かる初期費用は、一人暮らしの場合と同じです。ただし、複数人で住めるような物件ということで、家賃の総額は高めになるでしょうし、全体で動くお金も大きくなります。
- 敷金 家賃の0~2ヶ月
- 礼金 家賃の0~2ヶ月
- 不動産屋の仲介手数料 家賃の0.5~1か月分
- 最初の月の家賃 1か月分
- 火災保険料
合計すると、借りるために掛かる初期費用としては、家賃の数倍から6倍ぐらいが必要と考えてください。仮に一軒家の家賃が15万円なら、家賃関係だけで100万円近い現金が必要ということです。これをルームシェアする頭数で割ったものが、それぞれに必要です。
東京近辺では敷金・礼金それぞれ2ヶ月ぐらいというところが多いでしょう。最近は敷金礼金を減らして中にはどちらもゼロ円という物件もありますが、それらはその分毎月の家賃が高くなっています。そのシェアが長く続くかどうか(=なんてことは予測できないのですが)によって長期的な損得は変わります。敷金礼金は高いけど家賃が安いところであれば、長く住むほど割安になります。
地域によっては6ヶ月とか10ヶ月とかの敷金や保証金を取るところもあります。大家側からすれば、最初に預けられるお金が多いということは、借り手が切羽詰まっていない(お金がないからシェア、というわけではない)という証拠になりますので、安心感は高まるでしょうね。ルームシェアで使うなら敷金を上げるなんて言ってくる大家もいるかもしれませんが、そのあたりは交渉次第となります。
敷金については、賃貸を終了する時まで戻ってこないお金で、さらに全額戻ってくるかどうかは未来のことでわかりません。誰が支払うのか、どう分担するのか、ルームシェアを解消する時に戻ってきた敷金をどう分けるのか、ルームシェアの途中で出て行く人は払った分を取り戻せるのか、途中から入ってきた人は
不動産屋の仲介手数料は、本来は大家と店子(借りるあなたたちのことです)から半月分ずつ取るものですが、借り手から一か月分全額を取る業者が多いです。仲介手数料を割引してくれる不動産屋を探すという手もありますし、不動産屋を通さずに直接貸してくれる大家を見つけられれば、この分は節約可能です。
これも忘れがちですが、家賃は前払いが多いので、入居前には最初の月の家賃も必要です。
また、賃貸住宅では、火災保険など保険に入ることを義務づけてくる貸し手も多いです。火事や水漏れ等が起こって部屋が壊れたり使えなくなったときのために、保険を掛けるというものです。これも保険を掛けることが借りるための条件であれば、受け入れるしかありません。
新たに家具や家電を揃えるための費用
ルームシェアで暮らし始めるとして、家具や家電はどうやって揃える予定ですか?
最低限必要だろうというものだけでも、以下などが考えられるでしょう。
- 冷蔵庫
- 洗濯機・乾燥機
- 炊飯器
- 電子レンジ
- 鍋・食器・調理用具
シェアメイトの誰もがほとんど何も持っていない場合には、すべてを買い揃える必要がでてきます。これは結構なコストとなります。
また、シェアメイトの何人かは既に一人ぐらしをしていたとすれば、そこで使っていたものをそのまま持ってくるという手はあります。しかし、一人暮らしの冷蔵庫がたとえば3つあっても、それを新居に3台並べて置くことはどうでしょうか? 電気代も掛かりますし、できれば家族向けの大きな冷蔵庫一台にしたいのではないでしょうか?
新たに購入する場合、購入費用は誰が払うのでしょうか? その人がルームシェアを止めて出て行く事になったら、買ったものは持っていってもいいのでしょうか? それとも置いていかなければいけないのでしょうか? 考えたり決めておいたりすることはたくさんあります。
大きな家具・家電は、リサイクル意識の高まりもあって、処分するのにもお金が掛かって当たり前となってきました。東京圏では特にですが、不要になった家具や家電製品を、安く、あるいは無料で他人に譲りますという人も増えてきています。ネットのあげます・ください掲示板を活用して、処分に困っている人から格安で家具や家電を引き取るのも、お店や通販で買うより時間や手間は掛かりますが、よいアイデアだと思います。
また、前に借りている人がまだ居る状態であれば、その人に不要な家具・家電は残していってもらうようにお願いしてみるという手段もあります。前の人も、粗大ごみ費用を払って自分で運び出すより、そのまま残していける方が嬉しいこともあるでしょう。日本ではまだまだ珍しいやり方だと思いますが、そんな機会があればチャレンジしてみてはどうでしょうか。
引越しするための費用
引越しに関しては、個別には一人暮らしの引越しと費用は変わらないでしょう。4人のルームシェアなら一人暮らしの引越しが4件あるのと同じです。
もしここでも工夫したいのであれば、たとえば、引越し屋さんに4件まとめて依頼して、その代わりに割引をしてもらうというのは考えられますね。同じ日に一回の出動で、4箇所回って終わるのであれば、かなりの割引をしてくれる業者もあるでしょう。
また、せっかく何人も居るのですから、お互い助け合って、お互いの助手として自分たちで引越しが済ませられるかもしれません。レンタカーでトラックを借りてみんなで順番に引越しを助けあうとかも、楽しいかもしれませんよ。
電気ガス水道など、ライフラインを開通させるための費用
昔は電話を引くのに7万円を越える初期費用が掛かったりもしましたが、現在はそんなことはありません。電気・ガス・水道などのライフラインも、電話やネットで連絡すれば開通は無料でできるところがほとんどでしょう。
インターネット接続については、2年契約するなら大きく割り引く、みたいな契約はかなりあります。その場合は、もし2年になる前にルームシェアを解消する羽目になったら、違約金を取られてしまう場合もあります。
その他、個人の費用
これらは普通の一人暮らしでも掛かる費用だと思います。
- 自分の部屋の家具や家電を新調した場合、それらの費用
- 駐車場・駐輪場・バイク置き場等の契約料や初月費用
- 住所変更の必要な銀行・カード、その他のサービス等で費用がかかるもの
新規に共同で家やマンションを探し、そこを買ってルームシェアを始める場合
共同でマンションを買ってルームシェアをする、といった話は、日本ではほとんど事例を聞いたことがありません。住宅の価格が非常に高いという理由もありますし、夫婦など家族以外との共同名義で不動産を持つということも稀でしょう。
仲が悪くなったり、転職転勤等の都合で他の場所に移らないといけなくなったり、結婚等で他の人と住むことになったりした時に身軽に解消できるのがルームシェアの利点の一つです、共同で家を買ってというのはその利点を潰すことになってしまいます。
よほどの長期間に渡って同じメンバーで住み続けるという確信が持てないのなら、また、借りるより買った方が確実にお得というぐらい格安な物件でも見つけない限り、あまり良いアイデアではないのかなと思います。(もし、共同購入でのルームシェアで住んでる、うまくやっているという方がいらしたら、ぜひ取材させてください!)
自分が持っている/借りている物件の空き部屋を貸す場合
この場合は、特別に掛かる費用はありません。空いている部屋をそのまま貸すように募集をすればいいでしょう。
たまに、「ルームシェアで貸すにあたって、どんなリフォームをすれば良いでしょうか?」という質問を受けることがあります。しかし、シェアを探している人は合理的に節約したいという考えの人が多いですから、わざわざ壁紙などの内装を作り変えたりして、その結果家賃が高くなるよりは、少しでも安くそのまま貸してほしいと思うはずです。今空いている部屋を、空いているままの状態で募集を掛けましょう。
募集を掛けても人気がなく、いつまでも借り手が見つからないとなったときに初めて、じゃあ何が足りないのか、と考えればいいと思います。
同様に、「どんな設備を整えればいいでしょうか?」といった質問を受けることがありますが、あなた自身が問題なく生活できているなら、特に新しく家電やレジャー系(大型テレビとかゲーム機等)のものを買う必要もありません。
すでにルームシェアしているところへ入居する場合
現在すでに住んでいる人たちがいて、そこへ加わる形でルームシェアを始める場合、かかるコストはデポジットや最初の月の家賃、そして引越し代ぐらいでしょう。
ルームシェアについて良く知らないとか、初めてルームシェアをするという場合、こういった既にあるルームシェアに加入するのが、もっともリスクが少ないかと思います。
ルームシェアをしていて、空いた部屋があって募集をしているような家をどうやって見つけるのか、については、もちろん、ルームシェアジャパンのような募集掲示板を使うことをオススメいたします。
コメントを残す