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photo credit: dawniecakes

「ルームシェアをするとき、住民票の世帯主はどうなるの・誰になるの?」、という質問をよく受けます。

ルームシェアを始めるとき、誰か一人が世帯主になるの? 後の人はその世帯に所属するの? という質問ですが、答えから言うと「ルームシェアをしてもシェアメイトと同じ世帯にはなりません」

住民票で言っている「世帯」というのは、住んでいる人が「生計を一にする」場合のことを指します。つまり、収入や支出が一体となって行われている場合で、普通は家族のことを指すでしょう。

ですから、シェアの一人一人が「世帯主」として転入届を出せば、問題ありません。同居するからといって、世帯が一つになるとは限らないのです。ルームシェアではなく、たとえば同棲であっても、それぞれが自立した状態であれば、世帯としては別のようです。「世帯」と「家/マンションの一戸」とかの作りとは、別物なんですね。

他人同士で世帯を一つにするほうが難しい

むしろ、シェアメイトで同じ世帯として登録しようとするほうがたいへんです。「生計を一にする」を満たさないと、同じ世帯にはなれませんから。

みんなが稼いできた給料を一つにまとめて、シェアの全部の支出、光熱費とか食材の買出しとかのほとんどをその共通の会計から払って、などというルームシェアがもしあるとしたら、それは世帯扱いになるのかもしれないですね。

そんな風に、生計からすべてを一緒にして暮らすとなると、シェアというよりもコミューン的なものや、宗教的なものになるのではないでしょうか。そういう暮らしをしている人も世の中には居ますが、ルームシェアでは普通、収入や支出のすべてまでを一つに合わせたりはしないでしょう。

扶養家族について

「ルームシェアすると、世帯主にならないといけないのですか?」という質問をされる方の中には、これまでは親と同居しているとか、親の仕送りで暮らしていたとかで、親の健康保険に扶養家族として加入していて、この扶養から外れてしまうのではないかと心配する人もいますが、これも勘違いです。

住民票の世帯主は、親と離れて一人で住めば(一人で、というのは、ルームシェアなど共同生活の場合でも一人扱いです)、新しく住んでいる場所に必ず転入届を出さなければいけないので、必ず世帯主となります。

健康保険の扶養家族は、同じ家・住所に住んでいなくても、扶養されている状態であれば(=あなたが自分で扶養を外れるだけの十分なお金を稼いで、自分の力で暮らしていない限り)、扶養家族で有り続けることができます。この場合、住所が同じかとか、世帯主であるとかは関係なく、親のお金であなたが暮らしているなら、「生計と一にする」ことになり、あなたは扶養家族扱いとなります。

国民健康保険の場合は、もともと家族のそれぞれの保険料を(学生などの場合はおそらく親が)支払っています。被扶養者が別の住所に住民票を移して住む際は、遠隔地被扶養者証というのを役所に発行してもらえば、親と違うところに住んでいても、健康保険を使えます。

万一、親が、「別居することで扶養家族が減り、税金が高くなるから」という理由でルームシェアに反対しているなら、それは親の誤解です。