dangerous

photo credit: Ryusuke Seto

世の中にある様々な事、一人暮らしとか自動車とかお酒とか、なんだってそうだと思いますけども、ルームシェアも「絶対安全」とか「必ず危険」とか言うことはできません。

ルームシェアしたことがない周囲の人の、典型的な反応

僕が、ルームシェアを始めた時の話をしましょう。

当時は日本でルームシェアをする人のほとんどが外国人という状況でした。実家の両親に最初に「外国人とルームシェアというのをするんだ」と話した時に何て言われたと思いますか?

「殺されるかもしれないから、そんな危険なことはやめなさい」

というものでした。

ひどいことを言ってる気もしますが、特に年配の人、人生で外国人と接触する機会が少なかった人からすると、外国人はみな銃を乱射したり物盗りだったり騙したりする存在のようです。映画やCMぐらいでしか外国人を見ることがないから出てくる反応だと思いますが。

あなたが誰か他の人とルームシェアしようとすると、あなたの周りの人の中には、相手が○○だから危険、□□だから危険、というようなことを忠告してくるかもしれません。

それは、あなたのためを心配しているから、というのは間違いないでしょう。その気持ちはありがたく受け取りましょう。

しかし、一般化したレッテル貼りよりも、「ルームシェアするその相手本人がどんな人か」のほうが、ずっと安全に関わる情報でしょうね。

上の例で言えば、日本人にだって、安全な人もいれば危険な人もいます。赤の他人でも安全に住める人もいれば、親兄弟、夫婦で殺し合いをする人だっていますよね。

夫婦間での殺人事件のニュースを見たからと言って、誰も「結婚は殺されるリスクがあるからやめたほうがいいよ」などとは言いません。その時その時の状況や相手を考えずに、何かで知らない誰かをラベルづけして、安全とか危険とか決めることはできません。

人を見る目、人から見られる目

ですから、ルームシェアをするはまず何よりも、人を見る目を養う必要があります。

また、人を見る目、を養うことも重要ですが、それ以前に、ごく普通の同居人に悪い気を起こさせるような振る舞いをするほうにも、問題があると言えるでしょう。

例えば、共有スペースのキッチンのテーブルの上に財布や預金通帳を転がしておくとか、自分の部屋であっても廊下から見えるようなところに高価な持ち物をコレクションとして並べておくとか。ルームメートが質素な生活をしている横で、何につけても派手な金遣いをしてれば、元々そういう気が無かった人でも、何か金銭的に困った時などに変な気を起こしてしまうかもしれません。もちろん、泥棒する人が一番悪いのは当たり前ですが、無用に危険を呼び込むような行動を取らないことも、ルームシェアに限らない、危険を避けて生きていくための賢さだと思います。

女性の場合は、性犯罪に対する姿勢を、雑談の中ではっきりさせておくのもいいかもしれません。痴漢やレイプには断固として対処すべきだし、万一自分がそんな目にあったら、必ず相手を訴えないと、他の被害者が増えてしまう、といったことを日頃主張しておいても、損をすることはないでしょう。

僕の結論としては、相手が何人だろうと、同性だろうと異性だろうと、老人だろうと中年だろうと若者だろうと、危ない人は危ない。それだけです。

すべてのリスクを避けたい、ということなら、人と同居するなんて無理、と言う以外にないですけれどね。そういう人にルームシェアは勧めないですし、家族との同居や恋人との同棲、結婚なども勧めることはないです。

危機管理の判断は最終的に自分の責任です。みんな、常に最善の判断ができるわけではありませんが、それでも、小さな判断ミスをしつつもより良い判断ができるようになっていくこと、自分の判断に責任を持つこと、が大人になるということかな、とも思います。

これも良く言っていることですが、家族になる、といった人生の大きな判断に比べれば、ルームメイトになってみたり、ルームシェアを解消したりというのはずっと簡単で楽なことです。ルームシェアを通じて、他の人がいい人か、どれぐらいいい人か(あるいは悪い人か)というのを判断する練習ができれば、その判断力自体が今後の人生でも、仕事でも、役に立ってくれることでしょう。