ニューヨークで40代以上のルームシェアが急増

Curbed New York の記事によると、ニューヨーク市でルームシェアをする人の7人に1人は、40歳以上だそうです。

これは、イギリス/アメリカでルームシェアサイトを運営するSpareRoom: Find Roommates and Rooms to Rent” target=”_blank”>Spare Roomによる調査結果ということ。

40代以上のルームメイトは急増しているそうですが、必ずしも全員が節約目的ではなく、1割は恋人との破局、23%が離婚や死別をきっかけとしてルームシェアを始めた(or ルームシェアに戻った)ということ。

アメリカのように長年ルームシェアが普及していたところでも、一番多いのは家賃を高いと感じる若者であることは変わりません。しかし、記事にあるように「出張から帰ってきた時にそこに誰かが居ることは驚くほどナイスで心地よいものですよ」と考えるような独身の40代もいるということですね。

日本では売買に比べれば家賃の額はそれほど上がっておらず、ニューヨークやサンフランシスコのように「望まないルームシェア」に入らざるを得ない層は比較的少ないだろうと思いますが、東京都心部のように売買の相場も上がっている便利なところでは、家賃も高くなっていく可能性はあるかと思います。

また、勤続年数が上がれば給料も上がる、というひと昔前の習慣も必ずしも約束されておらず、年齢に関わらずルームシェアという選択肢が考慮に入ってくることは日本でも増えていくかもしれません。

そんな時に、コスト面だけで嫌々始めるのではなく、ルームシェアの良い点、例えば上で書かれたような社交の面などを理解して楽しめるようであればいいですね。

via DailySun New York

クーリエ・ジャポン「やっぱり、海外で暮らしてみたい」に海外のシェア事情が多数

ちょっと前の号なのですが、海外のニュースを多数扱う月刊誌クーリエ・ジャポンの2013年10月号の特集「やっぱり、海外で暮らしてみたい。」を読んでいたところ、海外で暮らす日本人を取材した記事のいろいろなところで、ルームシェアに関する話題が出ていました。

イギリス・ロンドン

「ロンドンに着いてすぐ、会社が紹介してくれた部屋の家賃が1200ポンドもして、驚きました。ロンドンでの一人暮らしはとても高くつくので、20代の独身者はフラットをシェアするのが当たり前になっています」

クーリエ・ジャポン2013年10月号 p.31 外国人にも開かれた「国際都市」ロンドン生活を満喫する日本人たち

ロンドンは海外からの不動産投資が多く、家の値段が高いようです。そのような都市の中心部で若い人が住もうとすれば、ルームシェアという選択はごくごく自然ということでしょう。文中に出てくる「フラットシェア(flatshare)」は、ルームシェアのことを呼ぶ一番一般的なイギリス英語ですね。

シンガポール

家賃が高いシンガポールでは、1軒を何人かでシェアするのが一般的で、彼らが住んでいるのは50戸ほどの家が連なった「タウンハウス」と呼ばれる長屋型の集合住宅だ。

クーリエ・ジャポン2013年10月号 p.54 経済発展にともなって家賃も高騰… シンガポールの生活事情を聞いてみた

こちらの記事は、かなりルームシェアの話が多い記事となっています。インド人オーナーの公団住宅(HDB)で、一部屋に4人、全体で10人ほどで住んで大変だったという体験や、日本人以外と仲良く住みながら現地に詳しいルームメイトに助けてもらったり、掃除や洗濯を週一回外部の業者にまかせることで、ルームメイト間での掃除当番などのトラブルを防いでいるといったような話が紹介されていました。

シンガポールのルームシェア事情については、ルームシェアジャパンのブログでも現地の人に聞いた話をまとめています。興味のある方はぜひこちらも読んでみてください。

アメリカ・ニューヨーク

前のバンドの元メンバーが住んでいたいまの物件に空きが出たのをきっかけに、8人が巨大なフロアをシェアする部屋に入居した。もともと工業用に使われていたロフトだが、いまは1階が写真スタジオ、3階が音楽スタジオとして使われているほか、残りの4フロアは、増田のフロアと同様、何人もの若者が住居としてシェアしている。

生活空間とスタジオを兼ねた窓もない部屋に払う家賃は月800ドル。バスルームやシャワーは8人で共同だというが、生活の時間帯が個々に違うからか、意外と不便ではないと増田は言う。

クーリエ・ジャポン2013年10月号 p.66 夢を叶えるために「世界の首都」へ ニューヨーク生活はこんなに刺激的

これはまた強烈な事例ですね。倉庫のようなところを無理やり住むところに変えて住んでいる話です。8人で一つのトイレやシャワーというのは、かなり厳しい方かと思います。そんな状況でも住みたい、暮らしたいという魅力が、ニューヨークのその地区にはあるんでしょうね。

自分たちで壁を作ったり直したりして住空間をよくしていくのは、たいへんでもあるけれども楽しい、という話も出ています。

この特集の載ったクーリエ・ジャポンはこちら

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 10月号 [雑誌]
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 10月号 [雑誌]

世界6カ国での日本人の暮らしぶりが特集されている中で、3箇所でルームシェアに関する話が出てきています。シェアの話が出なかったパリやハワイでも、ルームシェアして住んでいる人はたくさんいます。

ぼくはルームシェアしたくない人にまでシェアをしろと言うつもりはまったくないのですが、こうやって世界の大都市での暮らしぶりの記事にシェアの話が(ルームシェアの特集記事というわけでもないのに)たくさん出てくるということで、ルームシェアという暮らし方が決して異常でも特殊でもない、ということは言いたいですね。

ルームシェアでも構わない、ルームシェアで得られる利点(安さとか便利さとかルームメイトからの友人ネットワークとか)も興味ある、という人は、こういった海外の都市に行ったときにルームシェアを検討するのもよいし、東京のような日本の都市でも選択できるんだなという風に知ってほしいと思います。

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サンフランシスコ発 おもしろポスター

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(Credit: Social News Daily)

未来のルームメイト、ローレン

“きれい好きで気が利いて、おまけにカクテルも作れる。ローレンは最高のルームメイトだった!”

“クリエイティヴで楽しい”

“ローレンはヒップスターの体に入った専業主婦だ。絶品の料理、掃除、そしてパーティーの極意を知っている”

“ダンスパーティーを一緒に楽しめる人材でありながら、二日酔いのときはそっとしておいてくれる。偏見を一切持たない女性だ。”

これらの映画の宣伝のようなセリフの数々、実はルームメイト募集の広告なのです。

制作者は、写真上でサングラスをして手を広げている、20代女性のLauren Faheyさん。ニューヨークからサンフランシスコへの移住の際に、この手の込んだポスターをフォトショップで制作し、アメリカのクラシファイドコミュニティサイトcraigslistに載せたことで話題になりました。ポスター上に散りばめられた上記のコメントは、昔のルームメイトや親しい友人にもらったものです。

craigslistには、ルームメイトに関するものだけでも毎日何千もの募集がアップされます。サンフランシスコでの物件探しはとても競争率が高いと聞きつけたローレンさんは、その激戦区で勝ち抜くべく、アートディレクターとしての腕前をフルに発揮したポスター作りを決めたのです。制作時間はたったの20分。

ローレンさんの隣の女性の顔には”This could be you”(これがあなたになるかも?)との表示が。新しい物件探しがほぼ不可能に近いこの地区では、もともと存在するシェアに入る方が有利であると考えた結果、ルームメイトを募集することに決めたそう。西海岸につてのなかった彼女は、東海岸でのたくさんの良い交友関係を裏付ける意味もこめて、このポスターの制作に乗り切りました。

ただ1つ誤解を招いてしまったのは、このローレンさん、今まで一緒に住んだ人が多すぎではないかということ。過去のルームメイトが多い=トラブルが多いのでは、と勘違いされてしまったこともあったようです。しかし彼女曰く、コメントは一緒に住んだことのない友人からももらっているし、大学4年間で6人住まいを経験した後、ニューヨークで4年過ごした人間にとっては当然の人数であるということ。

ともあれ、奇抜なアイディアと努力の甲斐あって、その後ローレンさんは2人の素晴らしいルームメイトと出会えたそうで、物件にもかなり満足しているご様子。ちなみにローレンさんの理想のルームメイトは、1日の仕事の疲れを取るためにワインを一緒に飲めるひと、きれい好きで、楽しむことが好きだけど、毎晩のようにパーティーはしないひと、だそうです。