東京都心の多くの区で、若者向けのワンルームマンションが建てにくくなる、いわゆる「ワンルームマンション規制」の条例が制定されている、というニュースがありました。
ワンルームマンションの建築を規制する区の条例が、都内で相次いで施行されるなど規制が広がっている。面積が25平方メートル未満の部屋を持つマンションが建てにくくなるというものだ。面積を増やせば家賃が高くなることも予想され、学生や高齢者が住みにくくなるという批判もある。しかし、こうした条例が制定される背景には、単身者のゴミ出しのマナーの悪さや自転車の路上駐輪が問題化していることがある。
条例の内容は区によって違いますが、20平米、25平米以下といったサイズが小さなマンションをたくさん作れないようにするというものです。既にその地域に住んでいる人たちの希望によって、単身者が借りられる(狭いけど)安い賃貸を減らす目的で制定されているようです。
浅草橋から秋葉原の間で非常に良さのある光景を見かけてしまった pic.twitter.com/Etcd4vl2yo
— ATちゃん (@atkyoudan) February 11, 2017
記事では、ワンルームマンションに住む人に対する苦情(ゴミ出しのルールを守らなかったり、自転車の停め方が悪かったり、騒音がひどかったり)がある、と文京区の担当者に語らせていますが、ファミリーであれば必ずマナーが良いわけでもないでしょうし、区や政治に働きかける時間や能力のあるファミリー世代が、ばらばらで投票率も少ないであろう若者世代を遠ざけようとしているようにも見えますね。
ワンルームマンションを作りにくくしたからといって、都心の一人暮らしの独身者や若者が増えなくなるわけではないでしょう(日本全体では人口減少でも東京は増加)。このような規制が続くと、既存住民が望むファミリー向けのマンションは「作れるけど借り手不足」、ワンルームマンションなどが対象にしていた独身の若者は「ワンルーム不足で規制の緩い郊外暮らしを余儀なくされる」ということも起こるかもしれません。
そうなると、ファミリーマンションを活用して安く住める「ルームシェア」は、都心部でますます希少で価値のある選択肢となるかもしれませんね。そもそもワンルームマンションは使用時間の短いキッチン・バス・トイレなどを一人一人が持たなければいけない非効率な暮らし方で、海外ではファミリー向けでルームシェアすることで若者や独身者もファミリーと同じように過ごせていたわけですから。