シェアハウス投資「かぼちゃの馬車」問題とルームシェアへの影響を考える

詐欺的にサラリーマンなど個人にアパートローンを借りさせてシェアハウス建設を進めていた企業が支払い停止のトラブルを起こしています。

スマートデイズ(SD)社が首都圏で展開する女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」。初期費用が安く家具などの準備も不要。身一つで上京したい地方の若い女性がターゲットだが、この“馬車”が今や大揺れだ。

同社が4割前後しかない入居率を高く偽り、職業紹介などの事業外収入が潤沢なように見せかけていたことも告白。出席者はどよめき、「もう破産するしかない」「もって数カ月だ」と悲痛な声も飛び交った。

「家賃保証」の嘘で借金1億 年収800万のリーマン大家、破産の危機〈AERA〉

この会社、テレビCMまで打ってシェアハウスの宣伝をしていたのだとか。

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」などの運営会社スマートデイズ(東京)が手がけるシェアハウス投資で、オーナーとなった会社員らに約束通りの賃料が払われなくなり、破産者が続出しかねない事態だ。賃料収入を頼りに、建設費のために借りたお金を返す計画だったはずが一転。「借金地獄」に苦しむオーナーから弁護士に相談が相次いでいる。

「かぼちゃの馬車」魔法とけ借金地獄「気が狂いそう」、シェアハウス投資の賃料停止で相談相次ぐ – 弁護士ドットコム

もともと「シェアハウスは思ったほど安くない」という意見も良く耳にしますが、業者が運営して利益を抜いてるのでコスト的なメリットはそもそも出るはずがないですね。

今回の事件では、「ルームシェア」ではなく「シェアハウス」という日本オリジナルのシェア住居を広めようとしてきた人たちが何を狙ったビジネスをしていたか、実態がいろいろとニュースに出てきました。

トイレや浴室が共用のシェアハウスは1人あたり居住スペースは7㎡ほどと広くないが、初期費用が低く抑えられ、地方から上京してくる女性が多く入居すると見込んだ。入居した女性を、人材派遣会社に紹介するビジネスにも期待をかけていた。

シェアハウスのような形態は海外ではほとんど見ませんし、本来の個人間のルームシェア回帰が起こってくれればいいなと考えています。海外ではルームシェアのためにわざわざ新築の建物を建てることなどありえません。ファミリーが住むような家をそのままルームシェアで使えばいいのですから。

日本のいわゆる「シェアハウス」にしても、昔からやっているところは既存の独身寮や社員寮などで使われなくなったものを転用しており、わざわざ新築のコストを載せて家賃も高くする、なんてことはしていません。

結局のところ、「狭くても共同生活でも都会に住みたい」といった人たちに安定した住居を提供することや、シェア生活というスタイルの良いところを理解して広めたい、という気持ちはそこにはなく、相場が高騰して一般的な賃貸アパート・マンション経営が成り立たない昨今の状況で、小金持ちやアパ・マンローンを引っ張れる高所得サラリーマンたちに成功率がはっきりしない新築案件を買わせるために、シェアハウスという良く実態の知られていない形態が利用されたようにも思います。

今回濫造されたシェアハウス物件、人気もなく空き部屋が多いところもたくさんあるそうですが、今から一般の賃貸に再改造するコストも馬鹿にならないでしょう。騙された副業会社員たちは多少気の毒ではありますが、しかしその建築においては銀行からローンを引っ張るために不正に手を染めた人もいる、などとも報じられています。

それらの不良債権化した新しめのシェアハウス物件が、結果としてルームシェアに使えるような状態で割安で出てくるかもしれませんね。自分たちでルームシェアを企画できる人にとっては新たなチャンスとなる可能性もあります。

見通しの甘い計画に載せられてシェアハウス物件を建ててしまった大家も、他人任せではなく直接借り手を募集したり、あまりにも空きが多いようであれば、ルームシェア希望者に貸すなど考えてみていただければと思います。

投稿者: あきゆうき

ルームシェアジャパン代表。「ルームシェア」という言葉が通用しなかった日本で1997年からルームシェアを始める。その体験をネットに公開し、2002年には日本語で初めてのルームシェア本を出版。人生を変えうるルームシェアをより多くの人に知ってもらいたいと活動を続けています