ルームシェアと借家法

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ルームシェアの大家がその家やマンションを売ってしまった

あなたがルームシェアで部屋を借りている家を、貸している相手が売却してしまった場合、自分は借りている部屋に住み続けられるのでしょうか?

借家法一条一項によれば、家を購入した側の人は、借りている人がいる状態を含めて買ったのだから、借りている人は新しい大家に対しても賃借人としての地位を引き継ぐということのようです。

アパートなど、建物の中の独立した住居を借りている場合は間違いなく借家法の対象です。ですから、アパートの持ち主が交替したからといって、借りている人の契約が終わったり、出て行かなければならなくなったりということはありません。

しかし、ルームシェアの場合、ルームシェアの借り手は借家法で守られる対象かどうか、というところが問題となってくる可能性があるようです。

ルームシェアという住み方はまだまだ新しいため、ルームシェアのケースでの裁判の結果(判例)は少ないですが、大家の家の一部を借りているルームシェアは、昔でいう下宿や間借りに相当すると考えればいいのではと思います。

では下宿や間借りで借りている人は借家法の適用があるのかどうか? これはちょっと調べてもはっきりしません。判例も、時代によって少しずつ違っているという情報もありました。

独立していなくて、格子や障子で区切られているだけの部屋には借家法の適用はない、とする見方もありますが、弱い借り手、他に行くところがない借り手を保護するという借家法の基本的な考え方から、保護されないはずがない、という見方もあり、結論ははっきりしないように思いました。

実際にこれが裁判になったとしても、ほとんどの場合裁判官が和解を勧めるということなので、「ルームシェア」ということで判例が残ることもなかなか起こらないのかもしれません。

未成年とのルームシェア

危険な子供
危険な子供 posted by (C)葱

「未成年の場合、親の承諾なしにルームシェアできるのでしょうか?」

できるできない、で言えば、その未成年に部屋を貸す側の相手がそれで良ければ、できるでしょう。しかし、貸す側にとっては未成年に貸すというのはたいへんリスクが高い行為です。

未成年者の契約は後から無かったことにできてしまう

一つ目のリスクはこれです。未成年者は、家を借りるといった大きな契約を、正しく判断する能力が無い、ということになっています。

つまり、未成年者相手に部屋を貸すことにして、たとえちゃんとした契約書を書いて契約をしたとしても、未成年者側からその契約はいつでも「なかったこと」にできてしまうわけです。

親など保護者が出てきて取り消させる場合もありますし、未成年者本人がこれを利用して家賃を踏み倒したりすることも無いとはいえません。自分は守らなければいけないが、相手はいつでも止められる契約、というものを結んでまで未成年者に貸すのを良しとする人がいるものでしょうか?

また、家事や水漏れなど部屋に損害を与えた場合や、鍵の掛け忘れで泥棒に入られたり、ルームシェアのトラブルが起こった時にどこまで未成年者の責任を問えるかというのもあります。未成年であることを盾に取られてしまえば、最終的には泣くしかないでしょう。

参考: 未成年者契約 | 東京くらしWEB

他のさまざまな契約と同じで、親・保護者が同意していれば、契約は成立します。未成年者に貸す側としては、保護者が同意していますよ、という証拠をきちんと受け取ることが重要なわけです。なんなら、わざわざ未成年者と契約しなくても、保護者と契約してその子供とルームシェアする形でもいいでしょう。

もし既に未成年者とルームシェアを始めてしまったが、いろいろ心配になってきた、という場合、少なくとも、後からでも親・保護者の承認を得ることが重要です。追認といいます。順番が逆になっても、保護者が「いいよ」と承諾すれば(もちろん証拠が残る形にしてもらいましょう)、契約はちゃんと成立します。

未成年者の絡んだ犯罪に巻き込まれるリスク

「未成年者略取誘拐罪」という犯罪があります。保護者ではない成人が、未成年者を保護者から引き離したり、自分のそばに置くことは、たとえ未成年者本人が自分の意思でついてきたと言っても、罪になりうるということです。

前項と同じで、未成年者には他人についていったり、他人の家に泊り込んだりすることが正しいかどうかの判断力は無いとされているわけです。

家出をしてきて行き場所がない未成年を保護しているつもりかもしれませんが、保護者から見れば誘拐になることもあります。また、その未成年者が警察に保護されたり、保護者のところへ連れ戻されたりした後に、証言を変えてすべてをシェアメイトの命令でやった、と言うリスクだってあります。親切のつもりが誘拐者にされてしまうのでは、たまったものではないでしょう。

本人が「成人してます」と言ってても確認は必要

未成年者の絡むトラブルがあった際に、「未成年者だと知らなかった」では言い逃れはできません。確認しなかった大人のあなたの責任となります。相手が未成年者かもしれない、と思ったら、身分証明書を取る、仕事をしているなら職場、学生なら学校に照会する、などして、本人が年齢をごまかしていないか確認すべきです。

未成年者の方へ

当サイトでも、「親との折り合いが悪く、家を出てルームシェアで暮らしたいのですが?」といった相談をうけることがあります。

しかし、未成年者のあなたを受け入れてルームシェアすることは、上で書いたように、普通の判断力のある大人にとってリスクの大きな選択なのです。

であるのに、募集掲示板やメールでの連絡で「未成年者でも構わないよ」という相手がいるとすれば、その相手はリスク以外の何かを、特に未成年者であるあなたから得ようとしている可能性は高いと思われます。

たとえば、一つはセックスの問題でしょう。家出少年・少女を泊めて性行為を求めるような大人がいることは、たびたび新聞でニュースになっています。もちろん犯罪です。相手が同性なら安心かも、というのも、未成年らしい考えの足りない判断でしょう。世の中にはいろいろな嗜好の人がいますし、ルームシェア相手の悪い仲間があとから登場することもあります。

あなたは自分はもう大人で、大人と同じように判断でき、責任が取れる、と思っているかもしれません。しかし、法律と社会があなたを大人扱いしていない以上、実際に何かが起こった時にあなた自身に責任を取るチャンスはやってきません。

親や保護者と問題があってルームシェアを思いついたのであれば、まずは親との問題を解決するよう動くべきです。人によっては簡単ではないでしょう。しかし、親がお話にならないあなたのために、役所やNPOなど、相談にのってくれる大人は必ず存在します。まずネットなどでそういう相談窓口を探し、目先の問題を解決できないか動いてみてください。

親とは問題がなく、それでもルームシェアをしたい、ということであれば、親の承諾を得てルームシェアを探すことは、絶対に無理とは言えません。しかし、ルームシェアをすることは、人によっては成年でも難しいことは忘れないでください。よく調べ準備し、問題があれば保護者を含めいろいろな人に相談し、それでルームシェアをすれば、それがあなたを早く大人らしくすることもあるのかもしれません。

ルームシェアと法律

世の中には、自分が知らないことや見たこともないことはぜんぶ違法だと思い込んでいる人が意外に多いのです。そういう人が、「ルームシェア」という新しめのライフスタイルを見聞きしたときに、根拠もなく「それって禁止されてるよね?」とか「私の常識ではおかしい/だめだ」等と言ってくることがあります。ですので、そういった人に応対するときのために、何か法律に触れるような行為があるのか、ないのか、といったことを知っておくことは重要です。

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「ルームシェアは又貸しだから犯罪だ?」

こういうことを言う人は、いろいろな聞きかじりの知識をごちゃまぜにして誤解しています。

「又貸し」は常にいけない、という誤解

まず、「又貸し」がいけない、と言う人。又貸し自体は何の法にも触れていません。

戦後長く続いた、都会に出てくる人はワンルームマンションを借りて住むものだ、という社会の中で、多くの大家・仲介業者(いわゆる不動産屋)は、彼らにとって問題が起こりにくくなるような契約書を整備して使ってきました。その良く使われている契約書には、「又貸し禁止」とか「最初に契約した時に決めた人以外は住んではいけません」といった項目が書かれていることが多いのです。

ですので、もしマンションやアパートを借りていて、自分の契約書を読んでみて、「又貸しは禁止」と書いてあれば、そこで初めて、ルームシェアは「その家の」契約では禁止だ、というだけのことなのです。もちろん、契約書に禁止と書いてなかったり、契約書を交わしてなかったり、単に口約束で契約したという場合には、ルームシェアは契約違反でも何でもありません。

契約違反と法律違反の区別ができない人たち

次に、賃貸契約に違反することは犯罪、というのも、契約と法律をごっちゃにしている人の誤解です。

賃貸契約は、大家(貸し手)と店子(借り手)の間の取り決めです。取り決めに違反することは、契約違反ですが、契約違反がイコール法律違反(犯罪)ではありません。

もし契約に反してルームシェアすることが犯罪であれば、(普通の賃貸でも)契約に反して家賃の支払いが1日遅れたことも犯罪になってしまいます。楽器禁止のアパートでこっそりピアノを弾いても、ペット禁止のアパートで小鳥を飼っても、それは契約を解除する理由とされることは有り得ますが、犯罪ではありませんよね。ルームシェアもそれと同じです。

契約違反があったとしても、契約書の内容にしたがい契約が解除になったりするだけであり、契約違反で警察を呼んだり、逮捕されたりというのは、普通の個人の不動産の貸し借りレベルではありえません。

それとは別に、法律に違反した契約、というのは存在します。法律で大丈夫と保証しているようなことを契約で無理に相手に要求しているようなものは、契約自体が違法となります。大家だからどんな契約でも作れる、というわけではないのです。大家が要求した事や、契約書に書いてあった事でも、法律がそのような項目を契約に入れることを禁止していたり、書いてあっても無効にしますよ、と決まっていることもあり、契約に書いてあることがすべて大家の言い分通りに通るというわけではないので、不当な要求をされているのではと疑った時は、ネットで調べたり役所の窓口に相談してみたりすることは大事です。

ルームシェアで得た収入を申告しなければ法律違反

会社で給料を貰ったり、物を売って儲けたりした人と同じく、人に部屋を貸して家賃収入があったら、税金を納めなければいけません。これを納税の義務といいます。

家賃収入があることを隠して税金を払わなければ、これは脱税となり、法律違反です。悪質なものであれば実刑で刑務所に行く場合もあります。

ルームシェアといっても、不特定多数に短期で部屋を提供するのは法律違反

知らない人たちに次々と短期間で部屋を貸すと、これはホテル・旅館を運営しているとみなされます。

旅館業法という法律があり、お金を貰って他人を泊めるには、ホテルや旅館として届出をし、自治体からの許可を得る必要があります。また、旅館・ホテルとしての衛生基準等に従い、定期的に点検を受ける必要もあります。

それに対して、生活の拠点として他人を住まわせることは、「間貸し」となり、旅館業法の適用外となります。ルームシェアはこの範疇でしょう。

ネットで見つけられるからといって、また高く貸せるからといって、短期間で次々と旅行者等に部屋を貸してお金を取っていると、これは法律違反ということになります。そのような短期・旅行者貸し専門のマッチングサイトもありますが、それらは利用規約等で「サイトの利用者は現地の法律に違反しないこと」など責任逃れを書いている場合が多く、実質的に日本では(他の先進諸国の大都市のほとんどで同様の規制・法律があります)使ったら法律違反となるサービスですのでご注意ください。日本で使ったら必ず法律違反となるサービスを日本語で日本向けに提供しておいて「捕まったら自己責任です」というのは、あまりに悪質だと思います。

質問お待ちしてます

これ以外にも、「ルームシェアとこういう法律との関係は?」とか「これは契約違反なの、犯罪なの?」といった質問がありましたら、コメント欄でぜひご質問ください。

借家法との兼ね合い

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photo credit: t_kawaji2010

日本の法律に借地借家法というのがあり、家や土地を借りる人のことを保護しています。

ルームシェアや一般の賃貸住宅に関わってくるのは、借家法で、この法律の取り決めがあることで、家を借りている側が突然追い出されて住むところが無くなったりということがないように、守られているのです。

もし何も法律や規制がなければ、土地や家を(もしかするとたくさん)持っている大家と、お金を払ってそれを借りる店子のどっちの立場が強くなりそうかは、わかると思います。昔そういう状態があって、借りている側の店子がいろいろとひどいめにあったという反省から、現在の借家法では、借り手が手厚く保護されています。

その結果として、反対に大家からみると、いろいろと不自由な状態になっている、ということもいえます。一旦誰かに家を貸してしまうと、貸すのをやめて家を返してもらうのは、非常にたいへんになっています。いろいろな条件を満たさないと「貸すのをやめる」というのはできず、現実的にはほぼ不可能、といっても良いぐらいです。

本来の「弱者である借主」を保護することは大事だと思うのですが、調子に乗って弱者じゃないのに居座ったりする人達が出てきたことから、土地をもってる人たちが「大家は大変だから駐車場にでもしようか」となり、かえって家が借りにくくなる、という状況を産み出してしまった、といった主張は良く見られます。

こういった解説がどこまでほんとうなのか、という疑問はあるものの(所詮マスメディアの言ってることだから、極端な例を使って地主を利してるのかもしれない)、最近になって、その保護する力が強すぎて弊害を生んでいる、という意見が多くなってきて、借家法が改正されました。2000年の施行です。新しいほうの契約をすると、借りた人は期間が終わったときに必ず出て行かなければなりません。

ルームシェアの場合、大家である自分が一緒に住んでいることも多いので、相手が家賃を払わずにずっと居座り続ける、というのは難しいんじゃないか、と思わないでもないです。毎日顔あわせてますからね。今まで一番滞納されたのが15日くらいで、その時の相手は出張とか旅行とかでフラットに寄り付かず、帰ってきたときもこっそり自分の部屋に出入りしてました。(たぶんノックして催促すれば払ってくれたでしょうけど。その時はお金に困ってなかったので。)

それに、その部屋に一生住むというつもりでルームシェアに応募してくるような人は、少なくとも今まで会った事はないですしね。

職場の回覧で回ってきた電機連合の情報誌にQ&Aが載っていたので、理解した範囲で書き直してみる。(僕の理解ミスなどもありうるし、専門家ではないので、鵜呑みにせず、自分で資料をあたってください)

「2000年3月1日から施行されたのが定期借家契約。契約の更新がなく、期間終了時に必ず返すことをあらかじめ書面で取り決めた契約。1年以上の契約の時には、6〜12ヶ月前の間に、「契約期間が終わるよ〜」という予告をしないといけない。今の普通の契約を、これに移行させることはできない。(あらたな契約でないと、この方式は取れない)」