日本のルームシェアの歴史

メディアの取材を受ける際によく訊かれるのは、ルームシェアはいつ頃から日本で普及してきたのか、というものです。僕が知っている範囲でまとめてみましょう。

1990年代

僕が日本でのルームシェアを始めたのは1996年のことです。当時は、Windows95が出て、インターネットが大学や企業以外の人に使われだした頃です。その頃は、ウェブ上にルームシェアに関する記事は一切ありませんでした。また、インターネット以前の日本のパソコン通信でも、ルームシェアに特化した場所があったとは聞いたことがありません(パソコン通信は業者ごとに閉じた世界のため、仮にあったとしても見つけるのは難しかったと思いますが)

自分でルームシェアを始めてから、自分のルームシェア体験談を日本語で少しずつウェブページとして公開しはじめました。また、体験談の読者との交流や情報交換、ルームメイト募集を目的にディスカッションフォーラムを立ち上げています。

2000年前後には、このような体験談や募集サイトが10個弱、存在していました。まだ、「ルームシェア」という用語も、シェアのことを指す用語として確定はしていませんでした。英語ではroomshareとはそれほど言いませんし、僕は「フラットシェア」という言葉のほうを好んで使っていました。

2000年の時のフラットシェアリング in Tokyoトップページ
2000年の時のフラットシェアリング in Tokyoトップページ

僕が最初にウェブサイトにつけたサイト名は「フラットシェアリング in Tokyo」でした。ルームシェアだと一部屋に何人も住んでいるような解釈も出来てしまうので、日本の家族向けマンションでやるシェアに一番合いそうな単語として、イギリス英語のflatshareを選んだものです。

僕としては、英語の「~している(生活)」という意味でingをつけたのですが、人によっては語感がいいのか、シェア生活のことを「シェア」じゃなく「シェアリング」と言い出す人がでてきます。今ルームシェアやシェアのことを「シェアリング」と呼んでいる人もいるのはここからでしょう。

当時のルームシェアは、ほとんどが東京近辺で、しかも在日の外国人によって行われていました。英語では「クラシファイド」といわれる募集広告が載っているのも、日本にある英語のウェブ掲示板かフリーペーパーで、広告や交渉もすべてが英語ベースで行われていました。

この頃にルームシェアをしていた日本人は、ほとんどが海外留学からの帰国経験者で、海外で知ったルームシェアの楽しさを続けたり、海外で身につけた語学力の維持を目的として外国人とシェアをする、というケースがほとんどでした。

2002年頃

ルームシェア入門を基にして、日本ではじめてのルームシェア解説書「ルームシェアする生活」を執筆したのがこの年です。この頃、サイトのフォーラムでルームシェアに関する質問が増えてきていたこともあり、ルームシェアとは何で、どうやったらうまくできるのか、という情報が求められている、というのが当時の出版社サイドの企画意図でした。

ルームシェアする生活―チープな家賃で仲間と愉快に暮らす (サラ・ブックス)
ルームシェアする生活―チープな家賃で仲間と愉快に暮らす (サラ・ブックス)

「ルームシェアする生活」は、残念ながらルームシェアの大きなブームを引き起こすことはできませんでした。「ルームシェア」という言葉が何を指すのかも知らない人が多い中、増刷されることもなく現在は絶版状態となっています。(チャンスがあれば今もう一度書きたいと思いますので出版社の方はぜひ御連絡ください)

まだ、「ルームシェア」というものが何か伝わらなかったこともあり、書店でも住宅関連の棚に置かれるか、ライフスタイルの棚に置かれるか、あるいは若者向けコーナーに置かれるか、と売り方も難しかったと言うのが著者としての感想です。

2004年頃

2004年頃のルームシェアジャパン(ルームメイトジャパン)
2004年頃のルームシェアジャパン(ルームメイトジャパン)

この年に、ルームシェアジャパン(当時はルームメイトジャパン)の募集数や閲覧数は1.5倍ほどの伸びを示します。きっかけはNHKのドラマ「ルームシェアの女」でした。NHKの視聴者には高齢者や地方の人も多いことから、「ルームシェア」という用語とその意味が一気に広まり、このあと、人に「ルームシェアしてます」というのが説明なしに通じるようになったと感じます。

ルームシェアの女 DVD-BOX
ルームシェアの女 DVD-BOX

それから、それまで基本的に不動産屋の賃貸でルームシェア可能な物件を探すのは無理だったのですが、この前後からまれに「ルームシェア可」という物件やルームシェアしたい人を受け入れる不動産屋が登場してきます。

また、2000年に入ってから民放でもいくつか、ルームシェアやゲストハウス(シェアハウス)を舞台とした連続ドラマが放映されます。かって海外ドラマで見ていた「面白そうだけど自分には関係ないシェア」から、より実現性のある日本でやっているシェアのモデルが、テレビで目につくようになってきました。

もっとも、ドラマの中にはルームシェアの良い面、楽しい面を過剰に強調しすぎているものもあり、準備や情報不足のままにいいかげんにルームシェアを始めてしまい、フォーラムでのトラブル相談が増えたというのもありました。ドラマというものはそういうものだと思いますが、「ドラマみたいな生き方をしてみたい」という思いを持つ人も多いのでしょうね。

2008年

1990年代のバブル崩壊のあとずっと、とりたてて景気がいいとはいえませんでしたが、この年起こった世界的な金融不況の影響で、さらに世の中の不透明感が増し、職を失ったり給与をカットされたりという話が新聞やテレビで増えました。それまでの景気のニュースが「給料が上がらなくなる/下がる」話中心だったとすれば、この辺りから「仕事が無くなる/無くなるかもしれない」という話が多くなってきます。

その少し前からメディアでよく取り上げられていた「エコロジー」と、不況による節約/倹約のちょっとしたブームがあいまって、ルームシェアやその他のシェア「カーシェア」や「オフィスシェア」がメディアに出てくるようになります。

海外帰りや合理的な若者が、楽しみや寂しさ解消を求めてルームシェアをする、という割合よりも、不況に押されて経済的な事情でルームシェアやゲストハウスへ、というケースが目につきはじめた年でもあります。

2009年

2009年頃から、突然新しい言葉「シェアハウス」がニュースに登場してきます。それまで「ゲストハウス」と呼ばれてきた、業者が運営する台所やシャワーが共同の共同賃貸住宅はずっとあったのですが、ドラマ「ラスト・フレンズ」でこの「シェアハウス」という言葉が使われた影響か、「ゲストハウス」と「シェアハウス」の並立状況が続きます。

大きな新聞社では、過去にかならず「ゲストハウス」の記事を書いているはずなのですが、担当が代替わりしたのか、「シェアハウス」というのが突然新しく出てきたものだと誤解されたような記事も増えています。

「ルームシェア」は個人間の空き部屋貸しが中心で、少しそれらとは違うのですが、そういった用語の混乱の中で、メディア記事によっては「ルームシェア」と「シェアハウス」の混同も見られるのが現状です。

2013年~現在

業者が一人一人に個室(二段ベッドや押入れのこともありますが)を貸すシェアハウス(ゲストハウス)は、メディアの露出を受けて参入者が増え、過当競争になりつつあるようです。窓がなかったり火災などの避難対策がされていないものや、不当な労働と引き換えに住まわせたり生活保護を受け取らせてしかも横取りするような、弱い立場の人を搾取するいわゆる貧困ビジネスにあたるシェアハウスも報道が増えてきました。

個人が空き部屋を貸し借りするルームシェアは、シェアハウスの流行の影に隠れて、大きなニュースになることもなく、掲示板の募集数なども、大きく増えも減りもしないという状況です。

ルームシェアジャパンとしては、ワンルームマンションから共同生活のシェアハウスに移った人たちの中に、これまで不動産屋に払っていた金額を単に業者に払うようになっただけという人が多いのではと見ています。共同生活がどういうものかを知るのに、シェアハウス/ゲストハウスで入門してみるのは悪くないと思いますが、誰かに余分なお金を払うのではなく、貸したい人から直接借りるルームシェアという、一番無駄がないルームシェアという暮らし方を、欧米のようにもっと多くの人が認知し、試し、楽しんでもらえればいいなと考えています。

ルームシェアに向く人、向かない人

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ルームシェアは、いろんな住みかたの中の一つの選択肢です。日本でもシェアの経験者、ルームシェア人口が増えてきたので、以前よりも始めやすくなりましたが、それでもいろいろと難しい点はあります。

どんな人が、シェアという仕組みをうまく活用できるのか、を考えてみましょう。これまでの経験や、相談を受けた中から見えてきた、ルームシェアがうまくいく人とトラブルになる人の特徴は、以下のようなものです。

ルームシェアに向く人の特徴

  • 伝えるべきことは遠慮せずに伝えられる
  • おおらかである
  • 他人の異なる価値観を許容できる
  • 自分のことは自分でできる

ルームシェアの掲示板等でよく荒れるのが、「常識」です。「夜は静かにするのが常識です」とか「便座の蓋を下げないのは非常識です」などと簡単に書く人がいますが、こういう人はいろいろとシェアメイトとのトラブルを抱えているようです。

何が常識か、ということは、自分と良く似た人たちの間での感覚的なものでしかありません。人はそれぞれ違うバックグラウンドを持っているのですから、日常生活のこまごまとしたことに対して違う意見や習慣を持つのはあたりまえで、そこで「相手の常識が無い」ではなく、「自分と他人では常識が違うんだ」とわかっている人は、トラブルが少ないように見えます。

常識が人によって違う、と思っている人なら、常識かどうかではなくて「自分はこうしたい」と率直に相談することができますし、「相手はこうしたいんだろう」と想像する力もあるのではないでしょうか。狭い家の中で一緒に暮らすには、そういう能力が尊重されるようです。

ルームシェアに向かない人の特徴

  • 几帳面
  • 自分の価値観をおしつける
  • 片付け魔
  • 片付けられない
  • 他人に厳しい
  • 他人に依存してしまう
  • 言いたいことを言えない

「几帳面」とか「綺麗好き」というのは、一般的には良い意味の形容だと思います。しかし、これと「他者への不寛容」が結びつくと、シェア生活はとたんにギスギスしたものになります。

誰もが自分と同じレベルまで整理整頓をしなければ気がすまない、という人は、ルームシェアには向いていないでしょう。どれぐらい片付いているのが、あるいはどれぐらい散らかっているのが一番快適か、というのは、人によって異なるものです。

「気になった人が片付ける」というルールの場合は特に、シェアメイトの中で一番綺麗好きの人ばかりが片付けることになったりします。それを、「自分が特に綺麗好きだからしょうがない」と思えればいいのですが、「シェアメイトは自分と同じぐらい綺麗好きで『あるべき』」と思う人は、毎日不満を募らせることになるでしょう。

ある程度はあったほうがよくて、でも度を過ぎるとまずい特徴

  • 計算好き(細かすぎるとダメ)
  • 整頓好き(片付け魔はダメ)
  • 会話好き(お喋りが止まらないのもダメ)

まったく無くても困るし、ありすぎても困るのがこれらの特徴です。ルームシェアでは出費を計算したり分担したりということも多いので、計算が嫌でないなら素晴らしいことです。しかし、あまりに細かくなんでも計算しきろうとすると、これもまたギスギスにつながります。

普段からちょっとしたお喋りが行なわれていると、相手に対する意見や依頼をするのもやりやすくなりますし、良好な関係を維持するのにはいいのですが、相手の都合を考えずに何時間も愚痴を聞かせたりということまでいくと、これもまた問題でしょう。

ルームシェアって危なくないの?

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photo credit: Ryusuke Seto

世の中にある様々な事、一人暮らしとか自動車とかお酒とか、なんだってそうだと思いますけども、ルームシェアも「絶対安全」とか「必ず危険」とか言うことはできません。

ルームシェアしたことがない周囲の人の、典型的な反応

僕が、ルームシェアを始めた時の話をしましょう。

当時は日本でルームシェアをする人のほとんどが外国人という状況でした。実家の両親に最初に「外国人とルームシェアというのをするんだ」と話した時に何て言われたと思いますか?

「殺されるかもしれないから、そんな危険なことはやめなさい」

というものでした。

ひどいことを言ってる気もしますが、特に年配の人、人生で外国人と接触する機会が少なかった人からすると、外国人はみな銃を乱射したり物盗りだったり騙したりする存在のようです。映画やCMぐらいでしか外国人を見ることがないから出てくる反応だと思いますが。

あなたが誰か他の人とルームシェアしようとすると、あなたの周りの人の中には、相手が○○だから危険、□□だから危険、というようなことを忠告してくるかもしれません。

それは、あなたのためを心配しているから、というのは間違いないでしょう。その気持ちはありがたく受け取りましょう。

しかし、一般化したレッテル貼りよりも、「ルームシェアするその相手本人がどんな人か」のほうが、ずっと安全に関わる情報でしょうね。

上の例で言えば、日本人にだって、安全な人もいれば危険な人もいます。赤の他人でも安全に住める人もいれば、親兄弟、夫婦で殺し合いをする人だっていますよね。

夫婦間での殺人事件のニュースを見たからと言って、誰も「結婚は殺されるリスクがあるからやめたほうがいいよ」などとは言いません。その時その時の状況や相手を考えずに、何かで知らない誰かをラベルづけして、安全とか危険とか決めることはできません。

人を見る目、人から見られる目

ですから、ルームシェアをするはまず何よりも、人を見る目を養う必要があります。

また、人を見る目、を養うことも重要ですが、それ以前に、ごく普通の同居人に悪い気を起こさせるような振る舞いをするほうにも、問題があると言えるでしょう。

例えば、共有スペースのキッチンのテーブルの上に財布や預金通帳を転がしておくとか、自分の部屋であっても廊下から見えるようなところに高価な持ち物をコレクションとして並べておくとか。ルームメートが質素な生活をしている横で、何につけても派手な金遣いをしてれば、元々そういう気が無かった人でも、何か金銭的に困った時などに変な気を起こしてしまうかもしれません。もちろん、泥棒する人が一番悪いのは当たり前ですが、無用に危険を呼び込むような行動を取らないことも、ルームシェアに限らない、危険を避けて生きていくための賢さだと思います。

女性の場合は、性犯罪に対する姿勢を、雑談の中ではっきりさせておくのもいいかもしれません。痴漢やレイプには断固として対処すべきだし、万一自分がそんな目にあったら、必ず相手を訴えないと、他の被害者が増えてしまう、といったことを日頃主張しておいても、損をすることはないでしょう。

僕の結論としては、相手が何人だろうと、同性だろうと異性だろうと、老人だろうと中年だろうと若者だろうと、危ない人は危ない。それだけです。

すべてのリスクを避けたい、ということなら、人と同居するなんて無理、と言う以外にないですけれどね。そういう人にルームシェアは勧めないですし、家族との同居や恋人との同棲、結婚なども勧めることはないです。

危機管理の判断は最終的に自分の責任です。みんな、常に最善の判断ができるわけではありませんが、それでも、小さな判断ミスをしつつもより良い判断ができるようになっていくこと、自分の判断に責任を持つこと、が大人になるということかな、とも思います。

これも良く言っていることですが、家族になる、といった人生の大きな判断に比べれば、ルームメイトになってみたり、ルームシェアを解消したりというのはずっと簡単で楽なことです。ルームシェアを通じて、他の人がいい人か、どれぐらいいい人か(あるいは悪い人か)というのを判断する練習ができれば、その判断力自体が今後の人生でも、仕事でも、役に立ってくれることでしょう。

ルームシェアと世帯主。転入での住民票について。扶養家族について

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photo credit: dawniecakes

「ルームシェアをするとき、住民票の世帯主はどうなるの・誰になるの?」、という質問をよく受けます。

ルームシェアを始めるとき、誰か一人が世帯主になるの? 後の人はその世帯に所属するの? という質問ですが、答えから言うと「ルームシェアをしてもシェアメイトと同じ世帯にはなりません」

住民票で言っている「世帯」というのは、住んでいる人が「生計を一にする」場合のことを指します。つまり、収入や支出が一体となって行われている場合で、普通は家族のことを指すでしょう。

ですから、シェアの一人一人が「世帯主」として転入届を出せば、問題ありません。同居するからといって、世帯が一つになるとは限らないのです。ルームシェアではなく、たとえば同棲であっても、それぞれが自立した状態であれば、世帯としては別のようです。「世帯」と「家/マンションの一戸」とかの作りとは、別物なんですね。

他人同士で世帯を一つにするほうが難しい

むしろ、シェアメイトで同じ世帯として登録しようとするほうがたいへんです。「生計を一にする」を満たさないと、同じ世帯にはなれませんから。

みんなが稼いできた給料を一つにまとめて、シェアの全部の支出、光熱費とか食材の買出しとかのほとんどをその共通の会計から払って、などというルームシェアがもしあるとしたら、それは世帯扱いになるのかもしれないですね。

そんな風に、生計からすべてを一緒にして暮らすとなると、シェアというよりもコミューン的なものや、宗教的なものになるのではないでしょうか。そういう暮らしをしている人も世の中には居ますが、ルームシェアでは普通、収入や支出のすべてまでを一つに合わせたりはしないでしょう。

扶養家族について

「ルームシェアすると、世帯主にならないといけないのですか?」という質問をされる方の中には、これまでは親と同居しているとか、親の仕送りで暮らしていたとかで、親の健康保険に扶養家族として加入していて、この扶養から外れてしまうのではないかと心配する人もいますが、これも勘違いです。

住民票の世帯主は、親と離れて一人で住めば(一人で、というのは、ルームシェアなど共同生活の場合でも一人扱いです)、新しく住んでいる場所に必ず転入届を出さなければいけないので、必ず世帯主となります。

健康保険の扶養家族は、同じ家・住所に住んでいなくても、扶養されている状態であれば(=あなたが自分で扶養を外れるだけの十分なお金を稼いで、自分の力で暮らしていない限り)、扶養家族で有り続けることができます。この場合、住所が同じかとか、世帯主であるとかは関係なく、親のお金であなたが暮らしているなら、「生計と一にする」ことになり、あなたは扶養家族扱いとなります。

国民健康保険の場合は、もともと家族のそれぞれの保険料を(学生などの場合はおそらく親が)支払っています。被扶養者が別の住所に住民票を移して住む際は、遠隔地被扶養者証というのを役所に発行してもらえば、親と違うところに住んでいても、健康保険を使えます。

万一、親が、「別居することで扶養家族が減り、税金が高くなるから」という理由でルームシェアに反対しているなら、それは親の誤解です。

お金のトラブル

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お金のトラブルを避けるための注意事項

  • シェア相手が突然居なくなる場合を想定し、準備する
  • 極端にお金に困っている人とはシェアを避ける
  • 生活レベルが違う人とのシェアを避ける
  • お金や価値のある持ち物を見せない
  • お互いの持ち物をはっきりさせる
  • 支払いに関する取り決めをきっちり文書にする

シェア相手が突然居なくなる場合を想定し、準備する

特に賃貸住宅でルームシェアをする場合に問題となることですが、シェアの仲間が突然抜けてしまったときに、なんとかシェアを維持していけるかどうか、ということは心配しておかないといけません。

シェアメイトが突然失踪してしまったりということは、そう無いかもしれませんが、喧嘩がこじれて出て行ってしまったり、家庭の事情や出張、結婚、などなど、相手が出て行かなければならなくなる状態というのはそれほど珍しいものではありません。

2人で20万のマンションを借りて10万円づつ払っているとして、相手が突然いなくなったら、どれだけの間、家賃の全額(20万円)を払いつづけられるのか、ということは、考えておかないといけないのです。新しいシェアメイトを探すのに二ヶ月、三ヶ月かかることだって考えられます。

極端にお金に困っている人とはシェアを避ける

シェアする人に大金持ちは少ないでしょうけれど、極端にお金がない人とのシェアは、あまりおすすめできません。

デポジット(預かり金)を預かるのも「目先のお金に困っているわけではない」シェアメイトを探すための一つの方法です。とにかく急いでシェアメイトを探そうと、家賃を極端に下げたり、デポジットを免除したりすると、他で借りられなかった人が集まってきます。

逆に、必要もないほどの量のデポジットを要求したり、一日でも入金させようとせかす貸し手も注意でしょう。

生活レベルが違う人とのシェアを避ける

いろんな出費を対等に負担する、ということが、不公平感や自分の流儀に合わない出費につながることがあります。

たとえば、お皿が足りないから買い足そう、となったときに、あなたは100円ショップのお皿でよくても、相手が、自分は一枚数千円もするような皿しか使わないんだ、と言いだしたらどうでしょう?

消耗品の買い方や、冷暖房の使い方など、すべての場面で、折半だからと贅沢な暮らし方をされると、節約第一の人には辛いことでしょう。

逆に、シェアは節約のためではなく、浮いたお金でそこそこ上品に暮らすため、という人は、クーラーを切ってうちわを使え、とか、トイレットペーパーの減り方に文句をつけてくるような節約志向の人とは相容れず、不快に思うかもしれません。

お金や価値のある持ち物を見せない

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部屋毎に鍵をつけるシェアもあるでしょうけど、同じ家の中でドアに鍵をつけたとしても、鍵で守れるレベルはたかが知れています。

シェア相手が、もしくはシェアメイトが連れてきた誰かが、悪意を持って自分を部屋を探して回ったとしても、ほんとうに盗られて困るようなものは置かないようにするのが、トラブルを未然に避ける方法です。

銀行の貸し金庫や実家なども活用し、貴重品はあまり持たないようにするのがよいでしょう。

また、賃貸物件を借りるときの所得証明など、特に必要になる状況がなければ、お互いの収入や貯金の額などについては話さないほうがよいでしょう。

物をあまり持たない人、物に執着しない人、のほうが、シェアのトラブルを避けることができるといえるでしょう。

お互いの持ち物をはっきりさせる

自分の部屋にあるものは自分のものだけでしょうが、共有部分に置くもの、みんなで使うものについては、どれが誰のものか、はっきりさせておく必要があります。

共有部分に置くからには、特に取り決めをしないかぎり、みなが使ってよいとすべきですが、そうであっても、それが元々誰のものなのか、というのは言えなければなりません。

新たに共有部分で高価な買い物(家具類や、冷蔵庫とか洗濯機など)を買わなければいけなくなった場合にも、買ったものを共同の持ち物、とするのはよいアイデアとは言えません。

大物を二人で二つ買うのであれば、それぞれが一方を購入し、その所有権を持つことにしたほうが、シェアの解消や故障時の対応などのときもうまくいくでしょう。

支払いに関する取り決めをきっちり文書にする

家賃や光熱費の支払い、特にシェアに空き部屋がずっと出ているときに空き部屋の家賃をどう負担するか、などといったお金に関する決め事は、かならず文書にするべきです。

取り決めは「仲が悪くなったときでも運用できるように作る」ことを考えましょう。たとえ今どんなに仲が良くても、です。こういった文書は、仲が悪くなった状況でこそ必要になるものです。

「わたしたちの間で、文書でルールなんて他人行儀じゃない?」なんて言う人もいるかもしれませんが、今はどうあれ、決めごとはちゃんと残る形に、というのが、ほんとうに責任のある態度といえるでしょう。

税金が絡む場合

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photo credit: 401(K) 2013

賃貸の物件を借りて、シェアメイト全員で家賃を分担している場合は、通常の賃貸と同じでどこにも収入は発生してませんから、税金を払う必要はありません。

誰かが代表して家賃を取りまとめている場合でも、取りまとめている人はその家賃をそのまま大家に払うだけで、なにも儲けているわけではないですから、この場合は簡単ですね。

しかし、自分の持ち家の場合、部屋を貸して家賃をもらうと、それは収入になってしまいます。ですから、収入に対して所得税を払う必要がでてきます。

サラリーマンとして、毎月もらう給料だけが収入だった、という人は、税金の計算や支払いは会社が勝手にやってくれていたでしょうから、わざわざ計算をして申告し、さらに税金を払うというのは面倒なことかもしれませんが、これを払わないと脱税ということになってしまいます。

家のローンの利息とか、いくつか経費として収入から差し引ける出費もありますので、ほんとうに儲かっていないなら、支払う税金がそれほど多額になることもないでしょう。でも、現金が先に入ってきて、後でまとめて払うことになるので、全部使ってしまわないように気をつける必要があります。

申告のしかた

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photo credit: Jeff Sandquist

ルームシェアでも、持家の場合や家賃をもらえば収入になるので確定申告の必要があります。
確定申告と聞くと、どうやって情報を集めたらと不安になるかもしれませんが、市や区の税務署にいくと、税金に関するパンフレットがたくさん揃っています。

また、税務署内の掲示板や、自治体の広報誌、郵便局などで、税金に関する無料相談会などの案内をしていることがよくあります。こういった相談会は平日の昼間に行われることが多いため、仕事のある人は仕事を休んだりしなければいけませんが、最初に一度行ってみるのもいいと思います。そういった相談会では、プロの税理士さんが無料で相談に乗ってくれます。特に氏名を名乗ったりする必要はありません。

僕が初めてそういう相談会に行ったとき、シェアというのを説明するのが大変でしたが、税金の面からは下宿と同じようなものですね、と言われ、記録の仕方とか、なにが経費になるかとか、いろいろと知らなかったことを教えてもらうことができました。

シェアメイトからもらった家賃が売上で、シェアをするためにかかった費用が経費になります。売上から経費を引いた分が、あなたの収入となり、他の収入(会社からの給与とか)とあわせて、収入の額に応じた税額が決まることになります。

毎年2月、3月になると、確定申告についてのコマーシャルなども流れると思いますが、この時期に、自分で計算したこれらの数字を、決められた用紙(税務署や市区役所でもらえます)に書き込んで提出します。

同時に、計算した結果の税金がこれまで払った税金(会社の給与で天引きされている分など)よりも多ければ、その多い分を税務署で支払うか、振り込みます。もしも、経費のほうが多くて、税金を払いすぎていたということになれば、還付を受けられる、つまり、払った税金が戻ってくることになります。

経費とは

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専門ではないので、あまり深い説明はできませんし、間違っている可能性もあります。自分で申告する場合は、最新の情報を調べ、専門家にあたってください。会計士や税理士も専門家ですが、税務署の職員も専門家です。

持ち家の部屋を貸すようなシェアの場合、そのシェアをするためにかかったお金が経費になります。

たとえば、そのフラットをローンで買い、ローンの税金を払っているとすれば、その一部(詳しくは後の節で)が経費になります。フラットを買ったお金自身は、全額が経費になるわけではなく、フラットの価値が何十年にもわたって減っていく、という前提で計算した額を使います。詳しくは、確定申告の解説本などの、減価償却の項目を読んでください。

部屋をファーニッシュトにするために、ベッドなどの備品を買った場合、これも経費になります。シェアメイトを募集するために広告を打ったら、これも経費です。

自分が生活するために使ったお金は、経費にはなりません。ですから、自分もシェアメイトとして住んでいる場合、自分の光熱費とか食費などは、決して経費になりません。

共同で使う電化製品などについては、もしあなたが買ってシェアメイトに使わせてあげる場合は、自分の分は自分の生活費、共有分は経費になる、かもしれません。

自宅の一部を貸す時の扱い

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自分が住むために使っている場所は、経費にはなりません。貸している場所は、経費になります。ということで、アパートやフラットをまるごと貸す場合に比べて、計算がちょっと面倒になります。

これは、自分の生活にかかるお金と、商売として得るお金を、理にかなった規則でわけて、それに従って計算をするということです。シェアでなくても、たとえば自営業の人でも、自宅の一部が仕事場になっているような場合、仕事場の分については経費にする、というようなことをしているようです。

たとえば、僕の場合は、税務署の相談窓口で、次のようなやり方を教えてもらったので、使っています。まず、貸している場所と、自分で使っている場所の面積を計算します。次に、フラット全体の面積に対するそれぞれの比率を求めます、そして、この比率を使って、かかった経費を按分するのです。

言葉ではちょっとわかりにくいので、数字を挙げてみます。フラットのうち、自分の使っているところが6割、シェアメイトが使っているところが4割だとします。また、住宅ローンのその年の利息の支払いが、10万円だったとします。すると、その利息のうち4割が、シェアをするためにかかった費用ということで、10万円かける0.4の4万円が、ローンの経費となります。

どんな記録を?

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税金の申告で経費をつけるには、そのお金を支払ったことの証拠が必要です。

シェアのためにものを買った場合は、領収書がその証拠になります。シェアの広告などを出すために、雑誌社や新聞社に振込みをした場合は、その振込み証が記録になるでしょう。住宅ローンの利息については、銀行から毎年、明細が送られてきますので、それが証拠となります。

レシートでも領収書扱いになる店もありますが、そうでない店もあります。レシートだけでいいか、それとも領収書を書いてもらう必要があるかは、レジのまわりに書いてあることもありますし、店員に聞いてもいいでしょう。心配だったら、領収書をもらっておくに越したことはありません。

これらの証拠は、申告の際に提出する必要はありませんが、税務署から求められたときには見せなければなりません。ですから、申告が終わったからといって捨ててはいけません。何年間保存しておけばいいかは、税務署のほうで教えてくれます。